安全運転管理者に必要な手続きや講習・見落としがちな罰則とは

飲酒運転による事故の影響は計り知れないことは皆さんご存じかと思われます。
もし皆さんの職場で、業務中に社員が飲酒事故をおこした場合、自社の安全運転業務を推進する安全運転管理者及び事業者は多大な責任を負うことになります。普段からの安全運転業務の推進が重要です。
本コラムでは、万が一事故を起こしてしまった場合の責任や罰則を理解し、安全運転管理者がうっかり見落としがちなポイントから考えられる違反行為と罰則についてご紹介します。

  • 2022/09/02 公開

目次

  1. 1. 安全運転管理者について
  2. 2.安全運転管理者が見落としがちな違反行為と罰則
    1. ■ 見落としがちなポイント① ~ 運転免許証の有効期限 ~
    2. ■ 見落としがちなポイント② ~ 酒気帯び有無の確認 ~
    3. ■ 見落としがちポイント③ ~ 安全運転者の交代や届出の変更手続き、安全運転管理者等講習受講~
  3. 3.まとめ


飲酒運転による事故の影響は計り知れないということは皆さんご存じかと思われます。
もし皆さんの職場で、業務中に社員が飲酒事故をおこしたら?
自社の安全運転業務を推進する安全運転管理者及び事業者は多大な責任を負うことになります。普段からの安全運転業務の推進はもちろんのこと、万が一事故を起こしてしまった場合の責任や罰則について理解しておくことも必要です。本コラムでは、安全運転管理者がうっかり見落としがちなポイントから考えられる違反行為と罰則についてご紹介します。



1. 安全運転管理者について

安全運転管理者とは、企業の安全確認を確保する事業主に代わって安全運転の確保に必要な業務(酒気帯びの有無の確認や安全運転指導等)を行う人を指します。自動車を一定台数以上使用する事業所は、安全運転管理者を選任する必要があります。安全運転管理者を選任する上で、どういった点に気を付けるべきか?企業が把握すべき安全運転管理者の選任条件・申請手続き・届出、業務については【白ナンバー】アルコール検知器義務化延期?でも油断はNG!今から安全運転管理者の選任のためにするべきことの中でご紹介しておりますので詳しく知りたい方はご覧ください。



2.安全運転管理者が見落としがちな違反行為と罰則

安全運転管理者の皆さんは、法令に従いきっちり安全運転管理者の選任、届出、業務推進を行なっていると思いますが、こちらでは安全運転管理者がうっかり見落としがちなポイントをご紹介させていただきます。



■ 見落としがちなポイント① ~ 運転免許証の有効期限 ~

アルコールチェック義務化に際し、アルコールチェク含めた点呼を実施し、紙の記録簿にて記載している事業者も多いと思います。アルコールチェックは実施していても、運転免許証の有効期限まで毎日確認できていますでしょうか?日々のアルコールチェック含めた点呼確認は、習慣化による慣れからチェック漏れが発生する場合があります。各ドライバーの免許証の更新手続きを忘れたまま運転してしまうとうっかり失効になり意図せず無免許運転になります。無免許運転をすると3年以下の懲役または50万円以下の罰金が課されます。

(運転免許証の有効期限が過ぎてしまった方へ(失効手続等):警視庁)(道路交通法第117条の2の2)

運転免許証の有効期限の確認不足でうっかり失効していた場合、そのまま運転すると無免許運転になりますのでご注意ください。2022年4月からの白ナンバー(社用車)のアルコールチェック義務化をキッカケに、各社より「アルコールチェック管理サービス」が多数提供されております。アルコール検査値をクラウドサービス上で一元管理するサービスです。そういったサービスでは、社員の免許証の有効期限をチェック・管理する機能もありますので、チェックの見落とし防止効果もあります。

現在、アルコールチェック記録簿など紙管理にて運用されている方がおられましたら、サービス導入検討をされてはいかがでしょうか?紙管理からクラウド管理に変更することで業務効率化に繋がるとともに、チェック漏れなどの削減にも繋がります。当社でも、アルコールチェック管理サービス『スリーゼロ』をご提供しておりますので詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

アルコールチェック管理サービス『スリーゼロ』



■ 見落としがちなポイント② ~ 酒気帯び有無の確認 ~

アルコール検知器が入手できず目視で確認をしている方、検知器を使用しているもののメンテナンスをしていない方はいらっしゃらないでしょうか?該当される方は正確にアルコールチェックをできていない可能性があります。社員の飲酒運転は、事業者としても社会的責任も大きく、酒酔い運転で裁判になることもあります。

(道路交通法第117条の2、2の2)

万が一、業務中に従業員による事故が起きた際、安全運転管理者だけでなく車両を所有する事業者にも酒気帯びを容認したとして運転者と同じ処罰を課されます。


運転容認/車両の提供者

(道路交通法第117条の2、2の2)


酒類の提供・車両の同乗者

(道路交通法第117条の2の2、3の2)



■ 見落としがちポイント③ ~ 安全運転者の交代や届出の変更手続き、安全運転管理者等講習受講~

組織変更、転勤、事業所移転などが発生した際には、安全運転管理者等の交代や届出の変更手続きが必要です。普段の業務とは違い特別な時にしか手続きをしないので申請を見落としたり忘れがちです。また安全運転管理者は、年に1回安全運転管理者等の法定講習を受講(有償)する必要があります。
安全運転管理者が交代した場合、前任者の解任手続きと、後任者の選任手続きを変更後15日以内に事業所を管轄する警察署への届出が必要です。また、安全運転管理者が交代したにも関わらず届出をしなかった場合、事業所に罰金として5万円が課せられます。
(安全運転管理者の交代手続き:大阪府警察)

安全運転管理者の講習は、本人の受講が必要です。代理受講はできませんし、交代の際は交代手続きの変更を完了したのちの受講となります。車両を使用する業務を行う上で重要な知識を学ぶための講習です。受講しなかった場合の罰則はありませんが、年1回の受講をしっかり行うことが必要です。また最近では、オンラインでの講習受講ができる都道府県もあるようなので、チェックしてみてください。



3.まとめ

本コラムでは、しっかり安全運転管理業務を行っていても、ついつい見落としがちになりそうなポイントをご紹介しました。この機会に、飲酒検査等のチェック漏れで、重大な事故や問題が発生しないように、安全運転管理者としての責務・罰則についてしっかり理解しておくとともに、日々のルーチン業務においても見落とさないようにしっかりと心構えをもって取り組むことが重要です。
社員一人一人がしっかりと安全運転業務を推進できるように努めていきましょう。

担当Y.Y.

監修者 宇徳 浩二(うとく こうじ)

2002年シャープ入社。携帯電話のソフトウエア開発部門にて、スマートフォンのシステム開発等従事。
その後、AIソリューションの開発責任者として、シャープのAIoT(AI+IoT)のAI開発をけん引。
2022年AIoTクラウドにてプロダクトマネージャーに就任し、アルコールチェック管理サービス『スリーゼロ』、WIZIoT(ウィジオ)遠隔監視サービスなどのSaaSサービスのプロダクトを創出。
AI、IoTを活用したソリューションやサービスに携わる者として、社内外の講演、セミナーに登壇をするなどAI、IoT、SaaSビジネスに関して発信している。

宇徳 浩二