【アルコールチェック義務化延期】警察庁パブリックコメントの解説(2022年9月版)

2022年7月15日に警察庁よりパブリックコメントが公表され、10月1日からのアルコール検知器の使用義務について、当面延期する方針が出ております。警察庁ではパブリックコメントを募集(8月13日意見締切)し、まもなく意見等が公表される予定です。
本コラムでは、アルコールチェックの検知器使用義務化延期に関する状況、及び今回警察庁より発信されて注目されている「パブリックコメントとはどういったものか?」など概要をご紹介していきます。

  • 2022/09/09 公開
  • 2022/9/14 更新

目次

  1. 1. アルコール検知器の使用義務化延期?
    1. ・アルコール検知器の使用義務が延期された背景
  2. 2. パブリックコメントって何?
    1. ・何故パブリックコメントが募集されるの?
    2. ・実は知られていない? こんなにたくさんのパブリックコメントが募集中
  3. 3. 白ナンバー車のアルコール検知器の使用義務化はいつから?
  4. 4. 企業の皆さん!飲酒運転撲滅活動に待ったなし


※2022年9月9日に警察庁よりパブリックコメントの結果が公表され、アルコール検知器の供給状況から10月1日からのアルコール検知器の使用義務化について、当面間延期することが正式発表されました。

2022年9月9日に警察庁よりパブリックコメントの結果が公表され、アルコール検知器の供給状況から10月1日からのアルコール検知器の使用義務化について、当面間延期することが正式発表されました。
警察庁では、パブリックコメント(意見募集)を募集(8/13締め切り)し、187件の意見が寄せられ、「検知器が品薄で入手困難なため、延期は賛成」などの声がありました。そういった状況も踏まえ、予定していた10月から延期することを正式決定しました。検知器が市場に流通する見通しが立たないため延期する期間は未定とのことです。

本コラムでは、アルコールチェック義務化における検知器の使用義務化延期に関する状況、及び今回警察庁より発信されて注目されている「パブリックコメントとはどういったものか?」など概要をご紹介していきます。



1. アルコール検知器の使用義務化延期?

2022年10月1日からアルコール検知器を用いたアルコールチェックの義務化が予定されております。しかしながら、警察庁は7月15日にアルコール検知器の使用義務について当面延期する方針公表し、同時にパブリックコメントの募集を開始しました。

出典:パブリックコメント(案件番号:120220010


なお意見募集は、既に締め切られており、警察庁より9月9日パブリックコメントの結果が公表され、アルコール検知器の供給状況から10月1日からのアルコール検知器の使用義務化について、当面間延期することが正式発表されました。

本発表を受けて、「アルコールチェック義務化自体が延期された」と誤解されている方もいらっしゃると思いますが

誤解のないよう、お気を付けください。



・アルコール検知器の使用義務が延期された背景

上記、パブリックコメントの意見募集要領にて、警察庁より「当面のアルコール検知器使用義務の延期の経緯」について公表されています。

出典:パブリックコメント(意見公募要領



意見募集要領では、アルコール検知器の使用義務化の延期検討の背景はアルコール検知器の供給不足と記載しています。検知器において半導体は重要な役割を担っており、昨今の半導体不足の影響を受けて、メーカー側の製造が追いつかず今回の供給不足に発展したと考えられます。
また、検知器の製造・販売業社であるアルコール検知器協議会は今年4月、警察庁に対し「半導体不足などから10月1日までに市場が求める台数の確保は不可能」という意見書を提出していました。


・9月9日警察庁正式発表

「道路交通法施行規則及び自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律の施行に伴う 道路交通法施行規則の規定の読替えに関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」について

安全運転管理者の業務の拡充等|警察庁Webサイト (npa.go.jp)

警察庁では、パブリックコメント(意見募集)を募集(8/13締め切り)し、187件の意見が寄せられ、「検知器が品薄で入手困難なため、延期は賛成」などの声がありました。そういった状況も踏まえ、予定していた10月から延期することを正式決定しました。検知器が市場に流通する見通しが立たないため延期する期間は未定とのことです。



2. パブリックコメントって何?

前章では、アルコール検知器の使用義務延期の状況を解説しましたが、
そもそも「パブリックコメントって何?」
という方も多いのではないでしょうか?みなさん、ご存じでしょうか?

パブリックコメントとは、国民から意見書が提出された場合などに、行政が法律を決める際に案を公示し、その案について広く一般から意見や情報を募集することを指します。
以前は「意見提出手続」と呼ばれていましたが、2005年6月に改正された行政手続法によって、「パブリックコメント制度」として定められました。



・何故パブリックコメントが募集されるの?

何故、パブリックコメントは募集されるのでしょうか?
今回のアルコール検知器不足のように、決められた法律が国民の生活に沿っていない場合、行政から提出された改善案が国民に沿っているか判断するためにパブリックコメントが募集されます。また、パブリックコメントは、幅広い国民の意見を反映するため、政策等の透明性、公正性を確保し国民への説明責任を果たすことを目的としています。
パブリックコメントの意見募集期間は、原則「案の公示日から起算して30日以上」に設定されます。また、パブリックコメントの意見は、誰でも提出することが可能で、意見の提出方法はウェブサイト上・Eメールやファックスです。
(参照)パブリック・コメント制度について



・実は知られていない? こんなにたくさんのパブリックコメントが募集中

「e-Gov パブリック・コメント」サイトでは、意見募集中の案件から過去の案件まで掲載されています。現在2966件(2022年9月1日現在)のパブリックコメントが募集されており、教育・産業一般など幅広い分野から意見募集が行われています。
e-Govパブリック・コメント

例えば「バリアフリー対応に取り組む観光施設を認定する仕組み(案)」では、観光地でも高齢者等の移動の円滑化を促進するパブリックコメントも募集されていました。
パブリックコメント募集案件

また、内閣府、財務省などの所菅省庁だけでなく、都道府県や市町村でパブリックコメント実施しているところもありますのでご興味ありましたらチェックしてみて下さい。
ご参考までに弊社の事業所がある大阪府では、「大阪府無電柱化推進計画」という観光地ならではの景観に配慮したパブリックコメントが募集されていました。
大阪府パブリックコメント



3. 白ナンバー車のアルコール検知器の使用義務化はいつから?

警察庁は、7月15日に意見募集を開始したパブリックコメントの中では

としており延期期間は記載されていません。 現在、延期期間は未定でありパブリックコメントの意見を受けて、警察庁より何らかの発表があるのか、引き続き注視する必要があります。 パブリックコメントを受けての結果は、当社『スリーゼロ』WEBサイトでもご案内予定です。



4. 企業の皆さん!飲酒運転撲滅活動に待ったなし

社会全体の飲酒運転撲滅の取り組みは刑罰化などの影響もあり、飲酒運転の事故件数は年々減少しています。しかしながら、2021年における飲酒運転の発生件数は2,100件超もあり、発覚・摘発されてない飲酒運転の実態が存在することを考慮すれば安心できる数字ではありません。
(参考)警察庁:飲酒運転による交通事故件数の推移

アルコール検知器を使った飲酒検査の義務化は延期されますが、安全運転管理者によるアルコールチェックは必須です。将来的なアルコール検知器の使用義務化に向けて、企業、および安全運転管理者は、飲酒運転撲滅に向けて法令施行前に対応することが重要です。
アルコール検知器は入手困難な状況といわれておりますが、各社より様々なタイプのアルコール検知器、サービスなども次々と発売されております。息を吹きかけるだけの簡易型から、検査結果をクラウドで管理するものまで種類が豊富で選定に悩まれる管理者も多いと思います。自社で管理する運転者の人数、利用頻度、費用などを考慮し最適な手段から選定することをお勧めします。

当社では、アルコール検知器の検査結果をスマートフォンのカメラで読み取り、記録をクラウドに管理するタイプのサービスを展開しております。検知器の種類を問わず測定結果を一元管理することが可能です。また、検知器を入手する前から、点呼/目視の結果を一元管理できます。比較的リーズナブルな価格で導入でき、安全運転管理者の業務削減にも貢献します。(アルコールチェック管理サービス『スリーゼロ』

アルコール検知器の使用義務延期を受けて、義務化への準備が後回しになっていませんか?

「企業・安全運転管理者の皆さん!飲酒運転撲滅活動に待ったなし!」

既に目視でのアルコールチェック義務化は始まっています。アルコール検知器での飲酒チェック義務化がいつ始まってもしっかりとした運用ができるように早めの準備をおすすめします。

担当M.T.