アルコールチェッカーで酒気帯び運転になる数値を表で解説!

飲酒運転は酒気帯び運転と酒酔い運転の大きく2つに分けられます。
本コラムではそれぞれの定義や罰則、アルコールチェッカーを使った場合に酒気帯び運転になってしまう数値や飲酒運転をさせないために必要なアルコールチェッカーの使い方などについても解説します。

  • 2023/02/14 公開

目次

  1. 1. 酒気帯び運転になるアルコールチェッカーの数値(少量でもダメ)
    1. 1.1 酒酔い運転との違い
  2. 2. 飲酒運転の行政処分
    1. 2.1 酒気帯び運転の行政処分
    2. 2.2 酒酔い運転の行政処分
  3. 3.飲酒運転の罰則
    1. 3.1 酒気帯び運転
    2. 3.2 酒酔い運転
  4. 4. 飲酒運転の危険性
  5. 5. アルコールチェック義務化について
  6. 6. アルコールチェッカーの数値における注意点
  7. 7. アルコールチェッカーの正しい使い方
  8. 8. アルコールチェッカーを使った運用の注意点
    1. 8.1 社員の酒気帯び運転による企業の損失
    2. 8.2 アルコールチェッカーと組み合わせてクラウド管理
  9. まとめ


1. 酒気帯び運転になるアルコールチェッカーの数値(少量でもダメ)


まず、酒気帯び運転とは何なのか、について見ていきましょう。
酒気帯び運転とは、アルコールを摂取した状態で車両を運転することをいいます。
アルコールチェックの基準としては、呼気中のアルコール濃度が0.15mg以上含んだ状態で車両を運転した場合に取り締まりの対象となります。
こちらの数値が基準とはなっていますが、少量でもアルコールを摂取した場合は運転操作等に影響を及ぼしてしまうので、呼気中アルコール濃度が基準値以下でも絶対に運転しないようにしましょう。



1.1 酒酔い運転との違い

酒酔い運転は酒気帯び運転と異なり、身体に保有するアルコール量にかかわらず、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態の人をいいます。

蛇行運転をする、標識を守れない、まっすぐに歩けない、受け答えがおかしいなど客観的に見て酔っている状態があたります。
酒酔い運転の場合はアルコール濃度が取り締まりの基準以下でも酔っていると判断されてしまうと対象になってしまうので注意しましょう。



2. 飲酒運転の行政処分

前章では酒気帯び運転と酒酔い運転がどういうものなのかを説明しました。飲酒運転は酒気帯び運転と酒酔い運転の2つに分けられますが、それぞれで行政処分が異なります。
ここでは、それぞれの行政処分について解説していきます。



2.1 酒気帯び運転の行政処分

酒気帯び運転の行政処分は以下の表のようになります。

酒気帯び運転 呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上 基礎点数25点 免許取消し 欠格期間2年(※2,3)
呼気中アルコール濃度0.15mg/l以上0.25mg/l未満 基礎点数13点 免許取消し 免許停止
期間90日(※2)

(※2) 前歴及びその他の累積点数がない場合
(※3) 「欠格期間」とは運転免許の取消処分を受けた者が運転免許を再度取得することができない期間
警察庁 みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」

先ほども記載したように、呼気中アルコール濃度が0.15mg/l未満で運転した場合の取り締まりはありません。しかし、少量でもお酒を飲んだ場合は、絶対に運転しないようにしましょう。



2.2 酒酔い運転の行政処分

次に酒酔い運転の行政処分です。

酒酔い運転 アルコールの影響により車両等の正常な運転ができない
おそれがある状態
基礎点数35点 免許取消し 欠格期間3年(※2,3)

(※2) 前歴及びその他の累積点数がない場合
(※3) 「欠格期間」とは運転免許の取消処分を受けた者が運転免許を再度取得することができない期間

このように、酒気帯び運転として取り締まられる基準を下回っていた場合でも、アルコールによって運転に影響が出ていると判断された際には重大な行政処分を受けることにつながるのでご注意ください。



3. 飲酒運転の罰則


それでは、飲酒運転による罰則を見ていきましょう。飲酒運転をした本人だけでなく、車両やお酒の提供者、運転者が飲酒していることを知りながら車両に同乗した人も厳しい罰則が科せられます。さらに免許保有者は免許停止または免許取消しになる場合があります。



3.1 酒気帯び運転

酒気帯び運転による運転者、車両等の提供者、酒類の提供者・車両の同乗者の罰則は以下のようになっています

運転者 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
車両等の提供者 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
酒類の提供者・車両の同乗者 2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

警察庁 リーフレット



3.2 酒酔い運転

また、酒酔い運転による運転者、車両等の提供者、酒類の提供者・車両の同乗者の罰則は以下のようになっています

運転者 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
車両等の提供者 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
酒類の提供者・車両の同乗者 3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

警察庁 リーフレット



4. 飲酒運転の危険性

アルコールは少量であっても脳の機能を麻痺させてしまいます。
お酒を飲むと大脳皮質の活動をコントロールしている大脳下部の「網様体」が麻痺してしまい、運転に必要な情報処理能力や注意力などが低下します。
飲酒時に運転すると、

  • 気が大きくなり速度超過などの危険な運転をする
  • 車間距離の判断を誤る
  • 危険の察知が遅れたり、危険を察知してからブレーキペダルを踏むまでの時間が長くなるなど、交通事故に結びつく危険性が高まります。

警察庁 みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」



5. アルコールチェック義務化について

2021年6月28日に千葉県八街市で、飲酒運転のトラックに下校中の児童5名がはねられ死傷した事故をきっかけに、2022年4月から白ナンバー事業者へのアルコールチェックが義務化されることとなりました。

具体的には、下記に当てはまる事業者に対して、目視等による酒気帯び有無の確認等が義務化されています。

  • 乗車定員が11人以上の白ナンバー車1台以上を保有している事業所
  • 白ナンバー車5台以上を保有している事業所

※50cc以上の自動二輪車を所持している場合、1台を0.5台として計算



6. アルコールチェッカーの数値における注意点

アルコールチェッカーを使うと呼気中のアルコール濃度を測定することができます。

2022年10月に予定されていたアルコールチェッカーの使用義務化は延期となりましたが、もうすでにアルコールチェッカーを揃えられて、アルコールチェッカーを使った運用を始めている事業者様も多いと思います。

アルコールを摂取していないのにも関わらず、チェッカーが反応してしまった経験はないでしょうか?

アルコールを摂取していないのにアルコールチェッカーが反応してしまう原因としては、直前に口にした食べ物(発酵食品など)、飲み物、前日の飲酒、直前の薬服用や喫煙、歯磨きなども可能性として考えられます。

実際に出勤途中の社内で蒸しパンを食べた高槻市のバスの運転手がアルコールの検査に引っかかった事例もあるのでご注意ください。



7. アルコールチェッカーの正しい使い方


アルコールチェッカーを正しく使うためには誤作動がないように、日常的にメンテナンスを行ったり、使用回数を守る必要があります。
国土交通省はアルコールチェッカーの保守について以下のように定めています。

運行管理者はアルコール検知器を故障がない状態で保持しておくために、アルコール検知器の製作者が定めた取扱説明書に基づき、適切に使用し、管理し、及び保守するとともに、次の事項を実施しなければいけません。

  • 毎日確認※
  • 電源が確実に入ること。
  • 損傷がないこと。

※遠隔地で乗務を終了または開始する場合等、アルコール検知器を運転者に携行させ、又は自動車に設置されているアルコール検知器を使用させる場合にあっては、運転者が所属営業所を出発する前に実施すること

少なくとも週1回以上確認
酒気を帯びていない者がアルコール検知器を使用した場合に、アルコールを検知しないこと。
アルコールを含有する液体又はこれを希釈したものを、口内に噴霧した上でアルコール検知器を使用した場合に、アルコールを検知すること。

国土交通省 点呼の際のアルコール検知器の使用について

アルコールチェッカーには定められた使用回数や使用期間があるので、各メーカーの指示に従って、正しく使用しましょう。



8. アルコールチェッカーを使った運用の注意点

アルコールチェッカーを購入されてもうご利用されている方も多いと思いますが、どのようにアルコールチェックの結果などを管理していますか?
紙に記入する形で管理すると、アルコールチェックや、必要事項の記入に漏れの発生、なりすましなどが発生する可能性があり、アルコールチェッカーを揃えた後も注意しなければならないことは多くあります。



8.1 社員の酒気帯び運転による企業の損失


道路交通法第75条において、自動車の使用者や自動車の運行の管理を行う者は、飲酒運転などを命令したり容認したりしてはならないと定められており、社員が飲酒運転を起こした場合の企業に対する行政処分は非常に重いものとなっています。
道路交通法第75条に違反した場合には、命令・容認した事業者や運行管理者は下記のように厳しい処分を受けることになります。

主なケース 行政処分
事業者が飲酒運転を下命、容認していた場合 14日間の事業停止
飲酒運転などを伴う重大事故を起こし、事業者が飲酒運転に係る指導監督義務を違反した場合 7日間の事業停止
事業者が飲酒運転に係る指導監督義務を違反した場合 3日間の業務停止
酒酔い・酒気帯び運転があった場合 (初違反)100日間の車両使用停止
(再違反)200日間の車両使用停止

このような行政処分によって、会社の運営が滞る他に、イメージダウンしてしまい、顧客からの信頼や社会的信用を失うことにつながる恐れがあるので十分に注意してください。



8.2 アルコールチェッカーと組み合わせてクラウド管理

アルコールチェック結果の記入漏れやなりすましなどのリスクはクラウド管理をすることで減らすことができます。

クラウド型アルコールチェック管理サービスでは測定結果をクラウド上で一元管理します。

必要事項を記入する際に選択肢を表示したり、記入漏れがあった際に警告を表示したりすることで記入の手間を省くことや記入漏れをなくすことに繋がる上に、測定者の顔写真や位置情報を送信するものもあり、なりすましを防止できます。

また、データの改ざんを防ぐこともできるので、アルコールチェックに対する管理の手間や不正への心配を減らすことができます。

紙管理とクラウド管理の違いをしっかりと把握してご自身に合った方法で管理できるようにしていきましょう。



まとめ

本コラムでは、酒気帯び運転や酒酔い運転違反した場合の行政処分や罰則についての解説やアルコールチェッカーを使う際に注意が必要な点などを解説しました。

アルコールチェッカーを使った計測で酒気帯び運転と判断される基準を下回った数値が検出された場合でも、アルコールの摂取により判断能力や危険察知の能力が低下している可能性が高いので絶対に運転しないようにしましょう。

また、今回は酒気帯び有無に使用できるアルコールチェッカーについての注意点や運用方法についての解説も行っています。

正しいアルコールチェッカーの保守、管理・運用方法の確立を徹底して、飲酒運転事故が起こらないように注意していきましょう。

弊社ではクラウド型のアルコールチェック管理サービス『スリーゼロ』をご提供しています。『スリーゼロ』はスマートフォンで撮影した検査値をOCR機能で自動認識するので、Bluetooth機能対応のアルコール検知器からBluetooth機能が無い低価格のものまで、さまざまな検知器をご利用いただけます。現在導入済みの検知器や、あとから別の種類の検知器を導入した際も混在してご利用いただけるため、柔軟に検知器をお選びいただけます(※)。

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ぜひ、クラウド管理でしっかりとアルコールチェックを行い、飲酒運転撲滅を目指していきましょう。

担当K.Y.