アルコール検知器の種類・選び方をご紹介!それぞれのメリット・デメリットを徹底比較!

2023年12月、アルコール検知器を使用したアルコールチェックの義務化が施行されました。この義務化に伴い、多くの企業さまがアルコール検知器の選定に頭を悩ませているのではないでしょうか。 どの機種を選べばよいのか、種類や特徴は何か、メリットやデメリット、検知器の選び方などをご紹介していきます。 検知器の使用期限が迫っている企業さまや見直しを考えている企業さまも、この機会に最適な検知器を見つけてみませんか?

  • 2024/03/12 公開

目次

  1. 1章 はじめに
  2. 2章 アルコール検知器の種類がこんなに!あなたの職場に最適なのはどの検知器?
  3. 3章 半導体式アルコール検知器って何?そのメリットとデメリットを徹底解説!
  4. 4章 電気化学式アルコール検知器のメリットとデメリットを徹底解説!
  5. 5章 Bluetooth対応アルコール検知器で変わる安全管理!そのメリットは?
  6. 6章 高い信頼性で安全を守る!NDIR方式アルコール検知器の選択ポイント!
  7. 7章 さいごに


1章 はじめに

2023年12月、白ナンバー事業者のアルコール検知器を使用したアルコールチェックが義務化されました。この措置は、飲酒による事故や不祥事を未然に防ぐためのものです。アルコール検知器を使用して従業員が運転前後にアルコールチェックを行うことで、酒気帯び状態での運転を防ぎます。
アルコール検知器の導入は、義務化対応や従業員の安全を保ち企業の信頼性を高めるために不可欠になっていますが、多くの企業さまが検知器を導入するだけで満足してしまい、その後の管理や運用に頭を悩ませている企業さまが多いのが現状です。アルコール検知器は、定期的なメンテナンスが必要であり、古くなったり故障したりすることもあります。そのため、単に導入するだけでなく、機器の状態を常に有効に保つことが重要となりアルコール検知器を常時有効に保持することも2023年12月に施行された義務化の内容となっています。
このコラムでは、アルコール検知器の種類や特徴、選ぶ際のポイント、そして新たに導入する際やリプレイスするタイミングで考慮すべき事項について詳しく解説していきます。
安全な職場環境を維持し、従業員と顧客の信頼を守るために、アルコール検知器の正しい知識と管理の重要性を理解し、実践していきましょう。



2章 アルコール検知器の種類がこんなに!あなたの職場に最適なのはどの検知器?

アルコール検知器の選定は、職場の安全を守る上で非常に重要な決定です。選ぶ際にはいくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。


アルコール検知器は有効期限がある

まず、多くのユーザーが意識していないかもしれませんが、アルコール検知器には有効期限があります。有効期限を過ぎた検知器は正確な測定ができなくなるため、一定期間ごとに買い替えまたはメンテナンスが必要です。


種類がさまざまある

アルコール検知器には、半導体式、電気化学式(燃料電池式)、NDIR(非分散型赤外線)方式など、さまざまな種類があります。
各方式には独自の特徴、メリット、デメリットがあり、使用する環境や目的によって最適なタイプが異なります。



選ぶポイントは価格なのか、それとも機能なのか

アルコール検知器を選ぶ際のもう一つの重要なポイントは、価格と機能のバランスをどう取るかです。単に低価格のモデルを選ぶのではなく、必要な機能、測定の精度、使いやすさ、メンテナンスのしやすさなど、総合的に考慮する必要があります。
例えば、Bluetooth機能を備えたモデルは、データ管理を容易にするなどの特徴がありますが、価格も比較的高価になります。また、業務用途であれば、測定の速度や精度が特に重要になります。自社のニーズに最も合った検知器を選ぶためには、これらのポイントを総合的に検討することが重要です。
アルコール検知器の選定は、安全管理の一環として非常に重要です。適切な検知器を選ぶことで、従業員の安全を確保し、アルコール関連の事故などのリスクを最小限に抑えることができます。次章以降では、各方式の特徴、メリット、デメリットについて詳しく解説していきます。



3章 半導体式アルコール検知器って何?そのメリットとデメリットを徹底解説!

半導体式アルコール検知器は、アルコール検知技術の中でも特に一般的で広く利用されている方式の一つです。この方式は、アルコールの成分によって半導体センサーの抵抗値が変化する原理を利用しています。


特徴

半導体式アルコール検知器の最大の特徴は、そのコストパフォーマンスにあります。比較的低コストで製造できるため、個人用途から業務用途まで幅広い製品が様々なメーカーから販売されています。また、小型で持ち運びが容易なモデルが多く、現場での即時測定に適しています。この方式の検知器は、操作が簡単で、迅速にアルコール濃度を測定することが可能です。


メリット

  • コストパフォーマンス:他の方式に比べて低価格であるため、初期投資を抑えつつアルコール検知器を導入することができます。
  • 携帯性:小型軽量であるため、外出時や移動が多い職場でも簡単に持ち運びが可能です。
  • 使いやすさ:操作が簡単で、測定結果を素早く得ることができるため、利用者にとっての負担が少ないです。

デメリット

  • 精度の問題:半導体センサーは温度や湿度などの外部環境に影響を受けやすく、他の物質にも反応することがあるため、測定結果の精度が電気化学式に比べて劣る場合があります。
  • センサーの寿命:センサーが劣化しやすく、寿命が短い傾向があります。これには追加のコストや買い替えの手間がかかります。

半導体式アルコール検知器は、その手軽さやコストパフォーマンスから多くの場面で採用されていますが、測定の精度やセンサーの維持管理には注意が必要です。適用環境や目的に応じて、その利点と欠点をよく理解した上で選択することが重要となります。



4章 電気化学式アルコール検知器のメリットとデメリットを徹底解説!

電気化学式(燃料電池式)アルコール検知器は、高精度な測定が可能です。この方式は、アルコールと燃料電池の化学反応を利用してアルコール濃度を測定します。


特徴

電気化学式検知器の主な特徴は、その高い測定精度と特異性です。この方式は、アルコール以外の物質に対して反応しづらく、アルコール濃度のみを正確に検出することができます。また、測定結果が安定しており、繰り返し使用しても精度が落ちにくいという利点があります。


メリット

  • 高精度:アルコール以外の物質に対する反応が少なく、非常に正確な測定が可能であり微量のアルコールも検出できます。また、誤検出のリスクが低いです。
  • 耐久性:センサーの寿命が長く、長期間にわたって安定した性能を維持します。
  • 信頼性:一貫した測定結果を提供するため、信頼性が高いです。

デメリット

  • 価格:半導体式に比べて高価であり、初期投資が大きくなります。
  • メンテナンス:定期的なメンテナンスが必要であり、その際には専門の技術者が必要な場合があります。
  • サイズと重量:高精度な測定を実現するための構造が複雑であり、半導体式に比べて大きく重いモデルが多いです。

電気化学式アルコール検知器は、その高い測定精度と信頼性から、特に職場での安全管理やアルコール測定に適しています。導入を検討する際には、高い初期投資やメンテナンスコストを考慮に入れつつ、その利益が投資を正当化するかどうかを慎重に評価する必要があります。



5章 Bluetooth対応アルコール検知器で変わる安全管理!そのメリットは?

Bluetooth対応アルコール検知器は、無線技術を活用してデバイスとスマートフォンやクラウドシステムとの間でデータを交換できる検知器です。


特徴

Bluetooth対応検知器の最大の特徴は、その便利さと接続性です。検査結果をクラウド管理されている場合は、アルコール測定値を直接スマートフォンのアプリに転送することができ、そこからデータを管理したり、必要に応じて他のユーザーや管理者と共有が可能です。


メリット

  • 共有の容易さ:測定結果をワイヤレスで転送し、アプリへの連携が可能になります。
  • 追跡と監視:従業員のアルコール使用状況を効率的に追跡し、職場の安全管理を強化できます。

デメリット

  • コスト:Bluetooth機能を搭載した検知器は、通常の検知器に比べて高価になることがあります。
  • 電池寿命:Bluetooth機能は電池の消耗を早める可能性があり、頻繁に充電または電池交換が必要になる場合があります。

Bluetooth対応アルコール検知器は、データ管理と共有の容易さのメリットがあるため、特に大規模な組織や、厳格な安全基準を遵守する必要がある場合に適しています。しかし、導入の際には、高いコストなど、考慮すべきデメリットも理解しておくことが重要です。



6章 高い信頼性で安全を守る!NDIR方式アルコール検知器の選択ポイント!

NDIR(非分散型赤外線)方式は、アルコール検知器の中で特に高度な技術の一つです。この方式は、赤外線を用いてアルコール分子が特定の波長の光を吸収する性質を利用して、アルコール濃度を測定します。
一般的に第三のアルコール検知器と呼ばれています。


特徴

NDIR方式のアルコール検知器は、非常に正確な測定が可能です。この技術は、アルコール以外の物質による干渉が非常に少ないため、測定の信頼性が高いという特徴があります。また、センサーの寿命が長く、繰り返し使用しても性能の低下が少ないため、長期間にわたる使用にも適しています。


メリット

  • 高速・連続測定:高速かつ連続での測定が可能で、検査後に時間を置かず次の検査に移行できるので、大規模な事業所で大人数の測定を行う場合でも短時間でチェックが可能です。
  • 高精度と高信頼性:非常に正確な測定が可能で、アルコール以外の物質による誤測定のリスクが低いです。
  • 長期的な耐久性:センサーの寿命が長く、長期間にわたって安定した性能を提供します。

デメリット

  • 高価格:NDIR方式の検知器は、高度な技術を要するため、他の方式に比べて高価になりがちです。
  • サイズと重量:精密な測定装置を内蔵しているため、小型化が難しく、他の方式の検知器に比べて大きく重い傾向があります。
  • 技術的な複雑さ:NDIR方式は技術的に複雑であり、操作やメンテナンスにはある程度の専門知識が必要になる場合があります。

NDIR方式のアルコール検知器は、その高精度と信頼性から、特に重要な判断を下す必要がある状況や、精度が極めて重視される職場での使用に適しています。
しかし、導入には高いコストが伴い、装置のサイズや技術的な要求も考慮する必要があります。



7章 さいごに

このコラムでは、アルコール検知器の義務化の背景、検知器を選ぶ際のポイント、さまざまなセンサー方式の特徴、メリット、デメリットについて詳しく解説しました。
アルコール検知器は、義務化対応として必要なものであるとともに、アルコールによる事故を防ぐために不可欠なツールです。そのため、検知器の管理は企業にとって重要なポイントとなります。
さいごに、各方式のポイントです。

  • 半導体式はコストパフォーマンスに優れ、使いやすいが、精度やセンサーの寿命に課題がある。
  • 電気化学式(燃料電池式)は高精度で信頼性が高いが、コストが高く、定期的なメンテナンスが必要。
  • Bluetooth対応検知器はデータ管理と共有が容易だが、コストが高いというデメリットがある。
  • NDIR方式は非常に高い精度を誇るが、高価であり、サイズが大きくなる傾向がある。

アルコール検知器を使用したアルコールチェックを実施することは義務化されていますが、管理においては指定された8項目を1年間保管することとされており、紙やExcelで管理しても問題はありません。
ただし、紙やExcelでの管理・運用は紛失やデータ改ざん、みなし検査や検査漏れが発生しやすいリスクがあります。クラウドサービスを一緒に活用することで、効率的な管理が可能になり運転日誌などと併せて一元管理し、クラウド上で管理を行っていく事でペーパーレス化やコストカットにも繋がります。
こちらのコラムを参考に、目的に応じた検知器を選定し義務化に則ったアルコールチェックの運用にご活用ください。

以上