直行直帰や業務時間外のアルコールチェックはどうすべき?解決策をご紹介

運転者の直行直帰時のアルコールチェックはどのように実施していますか?運転者が事業所に戻って来れない場合だけでなく、早朝深夜や休日出勤で社用車を使用する場合でも、運転前後のアルコールチェックの実施は必ず行わなければなりません。この記事では、このようなイレギュラー時でのアルコールチェック方法や管理者の負担軽減のための解決策を具体的にご紹介します。

  • 2022/10/12 公開
  • 2024/10/31 更新

目次

  1. 「アルコールチェックの確実性」「直行直帰・早朝深夜の確認」が多くの企業で課題
  2. 直行直帰・管理者不在時のアルコールチェック実施のポイント
  3. こんな時のアルコールチェックはどう対応する?
  4. すぐできる!アルコールチェック負担軽減の工夫とは
  5. 【おさらい】よくある管理者のお悩み事
  6. 『スリーゼロ』は、直行直帰や管理者不在時のアルコールチェックにも対応可能


「アルコールチェックの確実性」「直行直帰・早朝深夜の確認」が多くの企業で課題

アルコール検知器を用いたアルコールチェックの義務化が2023年12月に施行されてから、もうすぐ1年です。アルコールチェック運用・管理の業務が本格化し、企業の安全運転管理者、担当者の負担は増大し、現場での課題や困りごとが実態を伴ってきました。

株式会社AIoTクラウドでは、2024年6月末に全国1,197名の安全運転管理者を対象にアルコールチェック義務化の対応状況や課題についてアンケート調査を実施しました。
本調査では「アルコールチェック管理について抱えている課題はありますか?」
との設問に対し、

  • 「本当にアルコールチェックを実施しているか確認ができない」
  • 「直行直帰※・深夜早朝の点呼など確認が大変」
など、多くの企業で課題となっていることが分かりました。

「お役立ち資料【アンケート調査】安全運転管理者が今抱える課題と実態 今後の意識調査」より抜粋。

本調査レポートでは、安全運転管理者の現状実態・課題に加え、今後の意向などについてまとめられておりますので、是非ご参考にしてください。

令和6年6月実施「アンケート調査」
をダウンロードする

「アルコールチェックを確実に実施すること」、「直行直帰・早朝深夜の確認も怠らないこと」は、アルコールチェック義務化を遵守するために大切です。
企業の飲酒運転撲滅・ガバナンス強化のために法令遵守は不可欠ですが、毎日のアルコールチェックはなるべく負担がないように効率的に運用したいものです。
次章では、出張先や派遣先への直行直帰時や、休日出勤等の管理者不在時でのアルコールチェック実施についてポイントを押さえて紹介します。

※直行直帰とは
直行直帰とは、出社せずに自宅から直接、お客様先や作業現場などに出向き、業務が終了したら直接自宅に帰ることを言います。
また、出張先でレンタカーを運転し業務をする場合も会社に立ち寄らない場合が多いですが、このような直行直帰時・出張時でも普段通りのアルコールチェックを行わなければなりません。



直行直帰・管理者不在時のアルコールチェック実施のポイント

アルコールチェックは、原則として安全運転管理者による対面での酒気帯びの有無の確認が必要です。運転者の顔色、呼気のにおい、応答の声の調子を管理者が目視でしっかり確認するためです。

では、直行直帰時・出張時のアルコールチェックはどのようにすれば良いのでしょうか。


◾️ 対面以外のアルコールチェックは許可されている?

対面に準ずる方法であれば、対面以外のアルコールチェックは許可されています。

  • Q. 直行直帰の場合にも安全運転管理者が対面で酒気帯びの有無を確認する必要がありますか?
    A. 会酒気帯びの有無の確認の方法は対面が原則ですが、直行直帰の場合その他対面で の確認が困難な場合にはこれに準ずる適宜の方法で実施すればよく、例えば、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させるなどした上で、 ① カメラ、モニター等によって、安全運転管理者が運転者の顔色、応答の声 の調子等とともに、アルコール検知器による測定結果を確認する方法 ② 携帯電話、業務無線その他の運転者と直接対話できる方法によって、安全 運転管理者が運転者の応答の声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させる方法 等の対面による確認と同視できるような方法が含まれます。

引用:アルコール検知器を用いた酒気帯び確認等に係るQ&A(警察庁)


◾️ アルコールチェック8つの確認項目

  1. 確認者名
  2. 運転者名
  3. 運転者が業務で使用する自動車の自動車登録番号又は識別できる記号・番号等
  4. 確認の日時
  5. 確認の方法
    ※アルコール検知器の使用有無(アルコール検知器の使用は必須)
    ※対面での確認でない場合は確認方法を具体的に記載
  6. 酒気帯びの有無
  7. 指示項目
  8. その他必要な事項

引用:交通安全情報|警視庁

記録簿のフォーマットは手書き・電子データのどちらも認められていますが、運転前後のアルコールチェックの際にこの8項目を必ず記録・管理し、記録は1年保管しなければなりません。


◾️ メールやチャットでの報告は認められている?

認められていません。

確認者は運転者との対話での様々な要素から、運転者が本当に酒気帯びではないことを確認します。 メールやチャットでの一方的な報告では、対面の確認に準じた方法とは言えません。


◾️ 安全運転管理者以外がチェックしても問題ない?

問題ありません。

警察庁の通知文書によれば「安全運転管理者の不在時など、安全運転管理者による確認が困難な場合には、副安全運転管理者または安全運転管理者の業務を補助する者に、酒気帯び確認をさせることは問題ない」とされています。

参照:道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う安全運転管理者業務の拡充について(通達)

安全運転管理者がアルコールチェックを行うことが難しい場合は、副安全運転者や、業務を補助する補助者を選任しましょう。
また、複数の事業所がある場合は、他の事業所の安全運転管理者がアルコールチェックを行い、電話で従業員が所属する事業所の安全運転管理者に報告させることも認められています。


◾️ アルコールチェック点呼業務を外部委託するのもオススメ!

アルコールチェック点呼業務をアウトソーシングするのをおすすめしています。
外部に委託すれば、日づけをまたぐ夜間や早朝、土日祝日の24時365日確実にアルコールチェックを行うことができます。

当社が提供するアルコールチェック管理サービス『スリーゼロ』では、アルコールチェックの確認(点呼)を容易に外部サービスと連携することができます。

「アルコールチェック代行サービス」
のお役立ち資料はこちらから


◾️ アルコールチェックの実施がいい加減だと罰せられる?

従業員の酒気帯び運転が発覚した場合、車両の提供者である、企業の代表や管理責任者に対し、「5年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金」が課される場合があります。
管理の不手際として大きく取り上げられ、企業の信頼失墜や社会的損失にもつながることになります。


◾️ 【まとめ】直行直帰時のアルコールチェックで押さえるポイント

以上を踏まえて、ポイントを4つに絞ってまとめました。

  1. 運転者は、携帯型アルコール検知器でアルコールチェックを行う
  2. 運転者と安全運転管理者はビデオ通話等にて、8項目の確認を行う
  3. 安全運転管理者は、確認事項を記録する
  4. 確認結果は、1年間保管する

ポイントを押さえて運用を見直してみましょう。
早朝出発や24時間365日稼働しているような業務・作業がある事業所、また休日出勤がある事業所でも、もれなくアルコールチェックを行うためには、管理者の負担が少なく、続けやすい効率的な運用を考えておくことが必要です。
また、運転者の嘘や誤魔化しが発生しにくいエビデンスを残せる運用を考えましょう。



こんな時のアルコールチェックはどう対応する?


◾️ 出張など、直行直帰をするとき

直行直帰の場合でも、業務開始前と終了後、つまり直行直帰の場合は「車の運転の前後」でアルコールチェックを実施しましょう。
原則、対面でのアルコールチェックがもとめられますが、対面に準じた方法のアルコールチェックでも構いません。


◾️ レンタカーを利用するとき

直行直帰や出張時でのレンタカー利用では、業務利用目的として会社で借りるため、アルコールチェックは必須です。
※トラブル対応などの突発的にレンタカーを借りる際は、安全運転管理者の管理対象外のためアルコールチェックの実施は不要です。

実はよく知らないレンタカー利用時のアルコールチェック。Q&A形式で簡単におさらいするのをおすすめします。

レンタカー使用に関するQ&A集


◾️ 休日出勤や夜間・早朝などの、管理者不在のとき

アルコールチェック点呼業務をアウトソーシングするのがおすすめです。

外部に委託することで24時間365日、いつでもアルコールチェックの確認(点呼)を実施できます。
また、早朝・深夜のみ利用、土日祝日のみ利用、など貴社の状況に合わせてご利用いただくことも可能です。
点呼業務を外部委託し、厳格なアルコールチェックを効率的に実施できている企業さまは多いです。

また管理者が少なく、アルコールチェック点呼業務自体を24時間365日アウトソーシングしておられる企業さまもおられます。自社の運用実態に合わせて、アウトソーシングをうまく活用することで、業務効率化にもつながります。

以下でご紹介するコラムやお役立ち資料でも、他企業さまの実際の活用事例をご紹介しております。ぜひご覧ください。

「アルコールチェック代行サービス」の
お役立ち資料はこちらから



すぐできる!アルコールチェック負担軽減の工夫とは

アルコールチェック義務化以降、法対応が定着した現在では、「本当にアルコールチェックを実施しているか確認ができない」、「直行直帰・深夜早朝の点呼など確認が大変」という課題が多くの企業で顕著になっていることが分かりました。

まずは、自社のアルコールチェック運用体制の棚卸しを行い、自社の状況にあった体制を構築することが必要です。
以下、弊社がおすすめしている、見直しの観点です。どれも簡単に実施できますので、是非ご参考ください。


◾️ 確認者を増やす

まずは、確認者を安全運転管理者以外にも増やしましょう。
アルコールチェックの確認は原則、安全運転管理者が実施しなければなりませんが、他の社員が安全運転管理者の補助者としてチェックを行うことは可能とされています。運転者や総務担当者が交代で確認を行い、一部の社員に負担が集中することを回避している企業さまも多いです。


◾️ 時間外労働時のルールを策定する

社用車の利用実態に合わせた労務管理ルールを策定しましょう。
まずは、電話対応の当番制のルール策定から行い、電話に出られない場合のエスカレーションフローを整備するのがおすすめです。
休日の場合も同様に、当番制にするのが良いでしょう。

直行直帰・出張、休日深夜などの確認は、安全運転管理者の負担が増大します。安全運転管理者の始業前時刻での確認対応時間、終業時刻から電話がかかるまでの待ち時間や、その対応時間等が、時間外労働とみなされる可能があります。時間外上限規制の順守や、時間外手当の増加を抑える必要があります。

外部サービスに業務委託することも視野に入れましょう。

「アルコールチェック代行サービス」の
お役立ち資料はこちらから


◾️ 検知器(アルコールチェッカー)の運用を見直す

検知器の管理やメンテナンスも安全運転管理者の義務ですが、管理コストを抑えられる検知器を自社の状況に応じて選ぶのも重要です。
アルコールチェカーを選ぶ際のポイントを以下の資料でご紹介しております。

アルコール検知器の選定ポイント


◾️ 紙・エクセル管理の場合、クラウド管理へ移行する

アルコールチェックの記録はデータで残すことを、強く推奨しております。
紙で管理すると、「汚れや破損が起こりうる」「誤字脱字で読めない」ケースもあり、運転者の負担になります。また管理の手間や紙管理のリスクも考えると、データ管理がおすすめです。

また、すべての事業所で適切にチェックが実施されているか、運行状況とともに一元管理できるシステムであれば非常にスムーズです。特に、管理者の目視確認が行われない直行直帰の場合には、クラウド型管理サービスを活用することをおすすめします。



【おさらい】よくある管理者のお悩み事


ケース①「休日出勤のときのアルコールチェックはどうすれば良いか?」

休日出勤であってもアルコールチェックの実施は必須です。
携帯用アルコールチェッカーを運転者に貸与し、運転前後のアルコールチェックを行いましょう。
確認者が不在で対面での確認が難しい場合は、点呼業務のアウトソーシング活用がおすすめです。


ケース②「深夜早朝のアルコールチェックは大変なので、いい加減にチェックをしている。罰せられてしまうのだろうか?」

検知器を用いての運転前後のアルコールチェックや、対面(対面に準ずる方法)でのアルコールチェック点呼を実施すること、8項目のアルコールチェックの確認の記録を1年間保存することは、法令で定められております。いい加減にチェックしていること自体が法令違反になります。
万が一、従業員の酒気帯び運転が発覚したり事故が発生した際、企業の代表や管理責任者に対し、「5年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金」が課される場合があります。
また、管理の不手際として大きく取り上げられ、企業の信頼失墜や社会的損失につながるため、厳格なチェックと管理、記録の保管を徹底しましょう。


ケース③「管理者不在時のアルコールチェックの抜け道は?面倒じゃない管理方法を知りたい」

アルコールチェックの実施に特例や例外はありません。必ず実施しなければなりません。
原則、対面でのアルコールチェックがもとめられますが、管理者不在の場合(直行直帰時等)は対面に準じた方法のアルコールチェックでも構いません。
直行直帰・管理者不在時のアルコールチェック実施のポイント)で復習しましょう。


ケース④「直行直帰の運転者が多いためアルコールチェックの時間がまばらで大変。なにか良い管理方法はないか?」

業務の補助者を決め、複数人で当番制にしましょう。チェックの時間が集中して混み合う場合は、現場での点呼担当と電話での点呼担当を決めても良いかもしれません。
また、安全運転管理者・補助者不在の時間帯は、アルコールチェック業務をアウトソーシングするのがおすすめです。

いかがでしたでしょうか。どのようなケースであっても、ポイントを押さえて自社の状況を把握できれば、対応策も考えやすいかと思います。

当社ではアルコールチェック管理サービス『スリーゼロ』をご提供しており、貴社の状況に合わせた効率的なアルコールチェック管理をお手伝いいたします。まずは、簡単にヒアリングをさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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『スリーゼロ』は、直行直帰や管理者不在時のアルコールチェックにも対応可能

株式会社AIoTクラウドで提供しております『スリーゼロ』は、白ナンバー事業者向けのクラウド型アルコールチェック管理サービスです。120種類以上のアルコール検知器に対応しているのが大きな特長です。(対応するアルコール検知器一覧はこちら)
『スリーゼロ』は、アプリケーションを導入するだけ。が、市販のアルコール検知器や今ご使用中のアルコール検知器を使ってアルコールチェックが行えます。

また、今回ご紹介しました「点呼代行サービス」のように、多くの外部サービスとの連携を強化しております。(連携可能な外部サービスの紹介はこちら)
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興味をお持ちの管理者の皆さまは、まずは一度、お気軽にお問合せくださいませ。

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監修者 宇徳 浩二(うとく こうじ)

2002年シャープ入社。携帯電話のソフトウエア開発部門にて、スマートフォンのシステム開発等従事。
その後、AIソリューションの開発責任者として、シャープのAIoT(AI+IoT)のAI開発をけん引。
2022年AIoTクラウドにてプロダクトマネージャーに就任し、アルコールチェック管理サービス『スリーゼロ』、WIZIoT(ウィジオ)遠隔監視サービスなどのSaaSサービスのプロダクトを創出。
AI、IoTを活用したソリューションやサービスに携わる者として、社内外の講演、セミナーに登壇をするなどAI、IoT、SaaSビジネスに関して発信している。

宇徳 浩二