ETC2.0の技術革新とは|未来の高速道路は何が出来る?

「ETC2.0」をご存知ですか?高速道路の料金所周辺の渋滞を回避できるETCがバージョンアップした「ETC2.0」は、私たちの高速道路の利用方法を大きく変える可能性を秘めています。 この記事では、ETC2.0では何が出来るのか、ドライバーに取ってどんな良いことがあるのかをご紹介します。

  • 2025/04/24 公開

目次

  1. ETC2.0の基礎知識
    1. ETCとは? (Electronic Toll Collection System)
    2. ETC2.0の仕組みと基本機能
    3. これまでのETCとの違い
    4. ETCの2030年問題とは
  2. ETC2.0の最新技術とは?一体何ができるの?
    1. できること①ITSとの連携による交通効率化
    2. できること②データ解析で実現する安全性能
    3. できること③タッチレス決済による利便性向上
    4. できること④交通渋滞緩和への貢献
    5. 多様な運転支援
  3. ETC2.0を活用した関連サービスの可能性
    1. スマートシティへの貢献
    2. 次世代モビリティとの融合
    3. ETC2.0はメリットだらけ。利便性向上による生活の変化
    4. 唯一のデメリット?!プライバシーとセキュリティの考慮
  4. これからのETC2.0の進化と展望
    1. 新たな技術革新への期待
    2. まとめ


ETC2.0の基礎知識

ここでは、ETC2.0の基本的な仕組みや機能についてわかりやすく解説します。
その次の章では、利用者がどのようなメリットを享受できるのか何が出来るのかを明らかにします。

ETC2.0の導入では、交通の流れがスムーズになり、ドライバーの利便性が向上することが期待されています。さらに、ETC2.0は交通情報の提供や安全運転支援など、多岐にわたる機能を備えており、ETC2.0は未来の高速道路利用法を大きく変える可能性を秘めているのです!


◾️ ETCとは?
(Electronic Toll Collection System)

ETC(自動料金支払いシステム)とは、車両に設置されたETC車載器にETCカード(ICカード)を挿入し、有料道路の料金所に設置されたETCレーンの路側アンテナとの間の無線通信により、車両を停止することなく通行料金を支払うシステムです。高速道路などの料金所に止まらずに通過できます。


◾️ ETC2.0の仕組みと基本機能

ETC2.0は、車両に搭載された車載器と道路側のアンテナが通信することで、料金の自動収受を行うシステムです。
従来のETCと同じように、料金所での車の走行停止を不要にし、スムーズに通行できるほか、従来のETCと比して「大量の情報の送受信が可能になる」「インターチェンジの出入り情報だけでなく、経路情報の把握になる」など、格段と進化して機能を有しており、道路利用者はもちろん、道路政策に様々なメリットをもたらし、ITS推進に大きく寄与するシステムです。
ETC2.0ではITS(高度道路交通システム)と連携し、リアルタイムで交通情報を提供することができます。

これによりドライバーは何が出来るようになったのかと言うと、渋滞を避けるルートを選択できるようになったり、移動時間の短縮が出来るようになったり…が期待されます。さらに、ETC2.0は安全運転支援機能も備えており、事故のリスクを低減する役割も果たします。


◾️ これまでのETCとの違い

ETC2.0は、従来のETCと比べて多くの点で進化しています。

  • 通信技術の向上により、より広範囲での情報収集と提供が可能に
    →ドライバーはより詳細な交通情報を得られ、効率的に・安全に運転出来るようになりました。
  • 安全性の向上にも寄与するように
    →例えば、車両の位置情報を活用した安全運転支援機能により、事故の予防が可能です。さらに、ETC2.0は環境負荷の軽減にも貢献しており、エコドライブを促進する機能も備えています。(用語解説‐エコドライブとは)

◾️ ETCの2030年問題とは

ETCの2030年問題とは、現在多くの車に搭載されているETC車載器が、2030年前後に一斉に使用できなくなる可能性があるという問題です。

今後は2030年前後に向けて新しいETC2.0などの対応機器への交換が必要となり、利用者の負担や交換作業の混雑が懸念されています。



ETC2.0の最新技術とは?一体何ができるの?

ETC2.0は、従来のETCシステムを進化させた次世代の技術です。
ここでは、ETC2.0がどのように技術革新を遂げ、未来の高速道路利用にどのような影響を与えるのかを探ります。


◾️ できること①ITSとの連携による交通効率化

ETC2.0は、ITS(高度道路交通システム)との連携により、交通の効率化を実現します。
ITSは、情報通信技術を活用して交通の流れを最適化するシステムのことです。
ETC2.0と組み合わせると、交通情報の収集と分析がリアルタイムで出来るようになります。

つまり、具体的に何が出来るようになるの?

  • 渋滞を予測して、回避できるようになる
  • 交通事故のリスクを低減するための情報提供が強化される
ETC2.0は具体的に何が出来るようになるの?

道路交通の情報提供が容易になり、ドライバーはよりスムーズに、安全な運転が出来るようになりますね。


◾️ できること②データ解析で実現する安全性能

ETC2.0は、データ解析技術を駆使してドライバーの安全運転に役立ちます。
車両から収集される膨大なデータを解析することで、交通事故の原因を特定し、予防策を講じることが出来ます。

例えば、「この先、○○インターの合流地点では急ブレーキが多発しています」や「前方1km先では毎朝7時頃、混雑が発生しています」、「雨天時○○トンネル出口はスリップ事故に気を付けてください」等、特定の地点での事故多発原因を分析し、そのデータに基づき、注意喚起してくれるのです。

事故だけではなく、急ブレーキ等のヒヤリハットな運転も細かくデータとして記録されていくので、事故の発生を未然に防ぐことができます。 ドライバーに対してリアルタイムでの注意喚起を行うことで、ドライバーも運転中の安全意識を高めることができます。

つまりETC2.0は、データを基に危険予測を行い、リアルタイムで注意喚起をしてくれる頼れるアシスタントのようなものですね。

また、ETC2.0が収集したデータを活用すれば、運転中のドライバーに向けた情報共有だけではなく、安全な道路交通社会の実現にもつながります。

具体例:ビッグデータを活用した生活道路の交通安全対策(引用:ETC2.0|国土交通省)


◾️ できること③タッチレス決済による利便性向上

ETC2.0の大きな特徴の一つが、タッチレス決済の導入です。
これにより、料金所での停車が不要となるため、より一層スムーズな通行が可能になります。
タッチレス決済により、料金の自動支払いが可能となり、ドライバーは煩わしい手続きから解放されます。また、決済情報はリアルタイムで管理されるため、透明性の高い取引が可能です。


◾️ できること④交通渋滞緩和への貢献

ETC2.0は、交通渋滞の緩和にも大きく貢献します。
交通状況をリアルタイムで把握し、最適なルートを提案できるようになるため、ドライバーは混雑を避け、効率的に目的地に到達することが可能です。また、渋滞が緩和されることで、燃料消費の削減や環境負荷の軽減にも寄与します。
ETC2.0は持続可能な交通社会の実現に貢献しているとも言えるでしょう!


◾️ 多様な運転支援

ETC2.0で車と道路が連携し多彩なサービスを実現できます。
例えば、高速道路の都市部の渋滞を緩和するため、経路情報がわかるETC2.0の特性を利用して、ETC2.0搭載車を対象とした弾力的な高速道路料金施策なども実施されております。都市部の混雑回避を促すためのETC2.0当社医者の料金割り引くなども実施されております。

また、車両運行管理支援サービスとしてETC2.0で収集される車両の位置情報や走行経路等のデータを物流事業者へ提供し、配車契約や到着時刻の予測等に活用されております。

多様な運転支援:ETC2.0で車と道路が連携し多彩なサービスを実現(国土交通省)



ETC2.0を活用した関連サービスの可能性

前章では、ETC2.0は、単なる高速道路の料金収受システムにとどまらず、ドライバーにとってうれしいことが様々あることが分かりました。
ここでは、ドライバーから交通社会にスコープを広げ、ETC2.0がどのようにして新しいサービスを生み出し、私たちの生活がどのように変わるのか、をご紹介したいと思います。


◾️ スマートシティへの貢献

スマートシティとは、最新テクノロジーを使った便利で安全で暮らしやすい、持続可能な街のことです。
ETC2.0は、スマートシティの実現において重要な役割を果たしています。

交通データをリアルタイムで収集・解析することにより、交通渋滞の緩和や公共交通機関の効率化を図ります。
都市全体の交通流(車の流れ)がスムーズになると、環境負荷の軽減にもつながります。
また、事故や災害が起きた際には、ETC2.0を通じて現場の状況がすぐに関係機関に伝わるため、救急車や消防車などの緊急車両がスムーズに現場へ向かえるようになります。さらに、周囲を走る車にも「この先で事故が発生しています」などの注意情報をリアルタイムで伝えることができるため、二次的な事故の防止や迅速な対応に役立ちます。


◾️ 次世代モビリティとの融合

次世代モビリティとは、EVや自動運転技術や電動キックボードなど、従来の交通手段を超えた新しい移動手段を指します。

例えば、自動運転技術搭載の「自動運転車」がETC2.0のデータを活用して最適なルートを選択することで、移動時間の短縮や燃料消費の削減が可能になります。
次世代モビリティ×ETC2.0で、更に快適に移動できる未来の交通のかたちが実現するのです。

また、カーシェアやライドシェア等のシェアリングサービスと連携をすれば、車の有効活用が進み、ETC2.0で効率的な交通が出来るため、車や道路等の交通資源を無駄なく使えるようになるため、環境や社会にやさしい持続可能な社会の実現に役立ちます。


◾️ ETC2.0はメリットだらけ。利便性向上による生活の変化

ETC2.0の導入により、私たちの生活は大きく変わります。
有料道路の料金所での混雑を緩和することでドライバーの日常のストレスが軽減され、また、最適なルート選択が可能となるため、時間の有効活用が図れます。

その他にも、駐車場の空き情報や、目的地までの最短ルートの提案など、移動に関する様々な情報を手軽に取得できます。
ETC2.0により移動の効率が向上し、生活の質が向上することが期待されます。


◾️ 唯一のデメリット?!プライバシーとセキュリティの考慮

ETC2.0の導入に伴い、プライバシーとセキュリティの問題が重要な課題となります。ETC2.0は、車両の位置情報や移動履歴を収集するため、これらのデータが不正に利用されるリスクがあります。したがって、データの暗号化やアクセス制御など、適切なセキュリティ対策が求められます。

また、個人情報の取り扱いに関する法令遵守も重要です。データの収集や利用に関しては、利用者の同意を得ることが必要であり、透明性のある運用が求められます。



これからのETC2.0の進化と展望


◾️ 新たな技術革新への期待

ETC2.0の技術革新は、交通インフラの未来を大きく変える可能性を秘めていることが分かりました。
リアルタイムでの交通情報の共有や交通渋滞の緩和、事故の未然防止だけではなく、AI技術の導入により、より高度なデータ解析が可能となり、個々の車両に最適なルートを提案することができるようになります。
これらの技術革新は、私たちの移動をより効率的で安全なものにするでしょう。


◾️ まとめ

ETC2.0は、高速道路の料金支払いの混雑解消だけではなく、データ(走行データや渋滞情報等の道路交通情報)を活用したサービスの展開に活用され、私たちの生活がより一層便利になることが分かりました。

昨今では、こうした車両データを活用して、企業の業務効率化や安全性向上を目指す企業が増えてきています。

関連記事:テレマティクスとは?概要から活用イメージをわかりやすく解説 – アルコールチェック管理サービス 『スリーゼロ』 AIoTクラウド

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