【独自取材】医療機器製造販売メーカーが作る「アルコール検知器」とは?

アルコール検知器協議会の会員企業である「グロックス」でディレクターをされている伴さまにお話を伺いました。今回のインタビューでは、医療機器を製造・販売している企業がなぜアルコール検知器の製造販売を始めたのかなど、お話を聞いてきました。

  • 2025/07/24 公開

今回は、アルコール検知器メーカーさまインタビューの第4弾として株式会社グロックスの伴さまにお話を伺いました。

>アルコール検知器を展開する「グロックス」とは?

――グロックスさまについて詳しく教えてください。

「弊社の働きで人々を幸せに健康と感動を伝えたいという思いのもと、医療機器の製造販売をしています。2016年に設立した会社でして、新型ウイルス感染症が大流行した際に厚生労働省からの要望で医療機器を製造、販売をしていました。

2022年からアルコール検知器を使用したアルコールチェック義務化に伴って、代理店からアルコール検知器の製造について打診をいただき、アルコール検知器の製造・販売をスタートさせました。」

――では、グロックスさまのアルコールチェック義務化に対するお取り組みを教えてください。

「医療機器を製造・販売している企業なので、それと同等の品質に準じてアルコール検知器も製造・販売しています。2023年からは自社で開発したクラウド管理ツールも併せて提供しており、機能としてはアルコールチェックのみとなりますがドライバーさんの健康状態の見える化の1つとしてご活用いただいています。また、当社検知器とセットでお使いいただくことで管理者やドライバーの負担軽減に繋がればという思いで提供しています。」

おすすめのアルコール検知器と選び方

――グロックスさまのオススメのアルコール検知器を教えてください。

「まずは、アルコール検知器 AC003です。燃料電池センサー式(電気化学式)を使ったアルコール検知器になります。アルコール検知器 AC003はアルコール検知器協議会の認定品にもなっています。使用期間が3年間もしくは使用回数1万回と長くお使いいただけるアルコール検知器のため、好評をいただいています。」

――長く使えるのは魅力的ですね。新しいアルコール検知器も発売されると伺いましたがどんなアルコール検知器なのでしょうか?

「2025年7月に発売予定のアルコール検知器 AC004です。アルコール検知器 AC004はセンサー部分を交換して使い続けることが可能になっており、交換方法もねじ2本外して交換するだけなので簡単に実施いただけます。センサー部分は、半導体センサー、燃料電池センサー(電気化学式)の2タイプを用意しております。半導体センサーは毎年、燃料電池センサーは2年毎に購入いただく必要がありますが、筐体は5年間ご利用いただけます。SDGsなど環境問題も考慮して、センサーだけ交換できるものを開発しました。」

※センサー交換 イメージ図

――廃棄しやすい工夫もされていると伺いましたが、どんな工夫をされていますか?

「グロックスのアルコール検知器は乾電池を採用しています。バッテリーを搭載となると、リチウムイオン電池を使うことになるため、廃棄しにくいだけでなく、発火事故対策でコスト高になるなど、車の中で使うことが多い機器である特性を考え、あえてリチウムイオン電池は使っておりません。使用回数にはよりますが、乾電池でも半年ほどは持つと思います。廃棄する方法は自治体で定められている方法に従って実施いただければと思います。」

――なるほど、確かに。企業として廃棄する際のコストも気になるものですね。

■オススメのアルコール検知器の特長

――アルコール検知器 AC003について、もう少し教えていただけますか?

「アルコール検知器 AC003は燃料電池センサー式(電気化学式)を搭載しているので、アルコール検知器は信頼性が高く測定が可能です。Bluetoothにも対応しているので、クラウド管理システムとの相性も良く簡単に接続が可能です。あとは、医療機器と同等の環境にて製造しているので品質には自信があります。」

――もともと医療機器を製造されていた企業さまならではですね。医療機器と同等と言うと、実際どのような環境での製造になるのでしょうか?

「工場内や作業者が手袋をするなど衛生面で清潔なのはもちろんですが、製造に至るまでの部品の管理や製品の扱い方など慎重に対応しています。不良品との区分けの判断基準なども明文化し、不良品が混ざらないような工夫もしっかりと行っています。」

――しっかりとしたお取り組みをされているのですね。

「3年使える検知器」メンテナンスHowTo(どのようにケアしていくのか)

――グロックスのアルコール検知器は3年間もしくは1万回の使用が可能ということで長期間使用できるアルコール検知器ですが、メンテナンスで気を付けることはどんなことでしょうか?

「定期点検日が近づきましたら、メンテナンス窓口より定期点検のご案内をしています。精度が高い検知器でも長期間使っていくとセンサーの劣化により精度が落ちてくるため校正に出していただきたいです。校正は精度チェックやメンテナンスという意味で長く使える弊社のアルコール検知器にとって大切な対応になります。使用開始から1年半、もしくは使用回数5,000回に達したタイミングで校正に出していただくようお客さまにご案内をしています。対応は有償にはなりますが、台数が多くなければ1週間程度で精度チェックし、必要であればお直ししてお戻ししています。」

――なるほど。3年間使う際に気を付ける点はありますか?

「アルコール検知器の使い方の傾向として、使用回数よりも先に使用年数に到達するケースが多いので上限回数に達していなくても買い替えるようにしていただきたいと思います。その傾向は有効期限の年数や回数がもう少し少ない場合でも似たような傾向がありますので注意していただきたいです。また、アルコール検知器の有効保持についてはお客様にしっかり意識いただくことが大切と考えており、当社からアルコール検知器を販売する際はきちんと意識いただくよう推奨しています。また、企業様にはしっかりと従業員のアルコール検知器の使い方の把握をし、メンテナンスをすることがオススメです。」

アルコール検知器購入時の注意点とは

――では、アルコール検知器を購入する際に気をつけるべきことはありますか?

「アルコール検知器協議会の認定品であることが1番良いと考えています。検知器協議会に認定機器として認定されるには精度の試験もあります。そこをクリアできないと認定が下りないため、しっかりクリアし精度を担保しているアルコール検知器を導入することが望ましいと考えています。」

――アルコール検知器協議会の認定試験は厳しいのでしょうか?

「アルコール検知器は精密機器になるため、アルコール検知器協議会の認定審査はかなり厳しくなっています。精度に関しての審査もありますし、品質管理も書類提出をするなどして判断をされます。インターネット上に出回っているアルコール検知器は精度が不安なものも多いのでアルコール検知器協議会の認定機を選んでいただきたいと考えています。」

「グロックス」さまのアルコール検知器導入事例

――グロックスのアルコール検知器を導入される企業さまはどんな企業様が多いのでしょうか?

「当社はもともと医療機器メーカーでもあり、医療機器を通じたお付き合いの中で信頼をいただいているお客様にもご支持いただいております。当初は官公庁をはじめとする各種機関や大手企業さまからの引き合いが中心でしたが、直近では中小の建設会社さまや介護事業所さまからの引合いも増加しております。」

――お客さまはなぜグロックスのアルコール検知器を選ばれると思いますか?

「弊社はアルコールチェック管理のみに機能を限定したクラウド管理サービスも提供しています。無料トライアルを通じて実際にご体験いただいたお客様からは、『管理業務の負担が軽減された』とご好評をいただいております。

特に直行直帰が多い企業だと、クラウド管理はスマホアプリがセットなので、管理者にすぐ報告することができ管理・報告の手間が軽減されたとお伺いしています。また3年使用可能な検知器も管理の負担を軽減できるので、そういったところでお選びいただいていると思っています。」

――では、検知器をこれから交換されようとしている企業様に伝えたい事はありますか?

「センサー寿命に気を付けて管理してほしいです。弊社のアルコール検知器はそれが少しでもわかりやすくなるように寿命のランプをつけています。使用開始から1年半、または5,000回のどちらか早いほうで「センサー寿命」の文字と「黄色」のランプが点灯します。使用開始から3年または10,000回のどちらか早いほうで「センサー寿命」の文字と「赤色」ランプが点灯します。。MAX使った時点で赤色にランプの色を変化させるなど工夫し実装しています。そういった期限を可視化し企業様の常時有効保持の負担も軽くできればと思っています。」

――ありがとうございました。

■グロックスさまインタビューのポイント

アルコール検知器にまつわるお話をグロックスさまに伺いました。最後にポイントを整理します。

  • 医療機器製造販売メーカーが作るアルコール検知器

…医療機器を生産するのと同等の環境でアルコール検知器を製造している。

  • 3年使えるアルコール検知器もメンテナンスは必要

…長期間使用が可能な検知器も、精度は問題なくとも使用期間が長くなるので1年半または5000回使ったら校正に出し、精度を担保して使用することが大切

  • 常時有効保持に効果的な検知器選定を

…残使用回数の目途がわかるような仕様がある検知器やサービスを選定し導入するのもオススメ!

医療機器製造販売メーカーの基準でアルコール検知器を製造され、事業を展開しているグロックスさまならではのお話をお伺いすることができました。企業様のアルコール検知器の選定にお役立てください。

グロックスサイトはこちら

※株式会社グロックスのサイトへ遷移します。

グロックスさまが提供するアルコール検知器はアルコールチェック管理サービス『スリーゼロ』にも対応しています。

なお、弊社が提供しているアルコールチェック管理サービス『スリーゼロ』でも対象機種は限られますが、アルコール検知器管理機能を備えています。気になる方は是非、お問い合わせください。

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