白ナンバートラックは、緑ナンバートラックと比べてどのような違いがあるのでしょうか。この記事では、白ナンバートラックでできる業務や、使用用途・税金に関してナンバーとの違いなどを解説します。緑ナンバーを取得するメリット・デメリットも紹介するので、どちらを保有するか迷っている企業の方も、ぜひ参考にしてみてください。
- 2024/08/30 公開
目次
白ナンバートラックとは?
白ナンバートラックとは、自家用・商用として登録しているトラックのことです。通常の自家用車と同じ使用目的で利用されます。そのため個人や企業が自社の荷物を運ぶ際は問題なく使用できますが、営利目的の運送業務には使用できません。
白ナンバートラックを商業運送業務として使用するためには、緑ナンバーを取得する必要があります。白ナンバートラックを営利目的で使用した場合には、貨物自動車運送事業法違反となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されるため注意が必要です。
白ナンバートラックと緑ナンバートラックの違い
白ナンバートラックと緑ナンバートラックでは、さまざまな違いがあります。ここでは、5つの観点から違いを解説していくので、自社はどちらのトラックの保有が向いているのか確認していきましょう。
◾️ 使用用途の違い
白ナンバートラックの使用用途は「自家用」であるのに対し、緑ナンバートラックの使用用途は「事業用」です。そのため、白ナンバートラックは自社の荷物を社内用として運ぶ際には使用できますが、自社の荷物以外を営利目的で運ぶ際には使用できません。
有償で他人の荷物を輸送したり人を送迎したりする場合など、事業用途で使用する際は緑ナンバーの装着が義務付けられています。
◾️ 各種税金の金額の違い
白ナンバートラックは緑ナンバートラックに比べ、各種税金が高く設定されています。税金の種類は、主に「自動車税」と「自動車重量税」です。
自動車税は、毎年4月1日時点における車の所有者に対して自動的に課される地方税を指します。一方、自動車重量税は車検の際に車の重量などに応じて徴収される国税です。
どちらの税金も、トラックの最大積載量や車両総重量によって税額が変わり、緑ナンバーの方が白ナンバーよりも安く抑えられます。
それぞれのトラックにかかる税金の具体的な金額は、以下を参考にしてみてください。
【自動車税】
最大積載量 | 白ナンバートラック | 緑ナンバートラック |
---|---|---|
1トン超~2トン以下 | 11,500円 | 9,000円 |
3トン超~4トン以下 | 20,500円 | 15,000円 |
7トン超~8トン以下 | 40,500円 | 29,500円 |
【自動車税】
車両総重量 | 白ナンバートラック | 緑ナンバートラック |
---|---|---|
1トン超~2トン以下 | 8,200円 | 5,200円 |
3トン超~4トン以下 | 16,400円 | 10,400円 |
7トン超~8トン以下 | 32,800円 | 20,800円 |
出典:国土交通省「令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方」
◾️ 自動車保険(任意)の保険料の違い
白ナンバートラックは緑ナンバートラックに比べ、保険料が低く設定されています。
自動車保険(任意)の保険料において、緑ナンバーは白ナンバーに比べて1.5~2倍程度高くなるのが一般的です。これは、緑ナンバーは白ナンバーに比べて事故のリスクが高い(走行距離が長く使用頻度が高い)傾向にあることが関係しています。
また、緑ナンバーは特定の法人向け自動車保険に加入する必要があり、選べる保険会社が限られます。保険のリスク評価も厳しくなりやすいため、最適なプランを選ぶことが重要です。
◾️ 点検整備期間の違い
白ナンバートラックと緑ナンバートラックには、点検整備期間にも違いがあります。以下、それぞれのトラックの点検整備期間です。
車両総重量 | 白ナンバートラック | 緑ナンバートラック |
---|---|---|
車両総重量8トン未満 | 6か月ごと | 3か月ごと |
車両総重量8トン以上 | 3か月ごと | 3か月ごと |
白ナンバートラックの点検整備期間は車両総重量ごとに設定されていますが、緑ナンバートラックは総重量に関係なく3か月ごとの点検整備が必要です。
点検整備を怠ると故障や事故のリスクが高まるのはもちろん、道路運送車両法違反により罰則の対象となるため注意しましょう。
◾️ アルコールチェックが義務化された時期の違い
現在、白ナンバートラックと緑ナンバートラックはアルコールチェックが義務付けられていますが、義務化された時期は異なります。緑ナンバー車両は2011年5月に義務化されたのに対し、白ナンバー車両は2022年4月の道路交通法の改正によって義務化されました。
車両を一定数持つ事業所の安全運転管理者は、運転者の運転業務の前後にアルコール検知器を使いアルコールチェックを実施することが義務付けられています。加えて、アルコールチェックの結果を記録し、1年間保管することが必要です。
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緑ナンバーを取得するメリット
個人や企業が緑ナンバーを取得することには、トラックを営利目的として利用可能となること以外にもいくつかメリットがあります。ここでは、緑ナンバーを取得するメリットについて詳しく解説します。
◾️ 比較的税金を安く抑えられる
前述の通り、緑ナンバーは白ナンバーよりも税金が安くなります。具体的には、自動車税と自動車重量税の金額を白ナンバーより抑えられます。
車両の最大積載量や車両総重量にもよりますが、緑ナンバーは白ナンバーに比べて数万円ほど税金を抑えられるケースも多いです。
◾️ 営業規模を広げられる
緑ナンバーを取得することは、国から正式に運送業を許可されたことを意味します。そのため、緑ナンバーの取得により、公共事業や大手の民間事業から運送依頼を受けることが可能です。
白ナンバーでは進出できなかった範囲までビジネスを広げられるため、企業の利益拡大につながることも期待できるでしょう。
◾️ 社会的な信用度が高まる
緑ナンバーの取得には一般貨物自動車運送事業許可(運送業許可)が必要です。そのため、緑ナンバーを装着していれば取得に必要な基準を満たしていることの証明になり、社会的な信用度が高まります。
社会的な信用度が高まれば、金融機関からの融資が受けやすくなるだけでなく、大手企業からの仕事も受注しやすくなるでしょう。
緑ナンバーを取得するデメリット
緑ナンバーを取得する前に、そのデメリットについても確認しておくのが重要です。デメリットを知ったうえで、緑ナンバーを取得するか判断していきましょう。主なデメリットとして、以下の2点が考えられます。
◾️ 自動車保険(任意)の保険料が比較的高い
前述の通り、緑ナンバーは白ナンバーと比べて自動車保険(任意)の保険料が高く設定されています。これは、自家用車に比べて使用頻度が高く、事故のリスクも高まるためです。
さらに、加入できる保険会社も限られており、保険料を抑えられるネット自動車保険はほとんど取り扱いがないことから、保険料が割高に感じやいでしょう。なるべく料金を抑えるために、複数の保管会社で見積もりを受け、比較したうえで選択するのが大切です。
◾️ 管理の手間・コストがかかりやすい
緑ナンバーを取得するためには、運行管理者を選任しなければなりません。具体的には、車両数29台までは1人、以後30台増えるごとに1人ずつ選任します。
運行管理者は、運行計画の作成や運転者の配置、アルコールチェックの実施などさまざまな業務を行う必要があります。緑ナンバーを保有すると、人的負担が大きくなるということです。
さらに、緑ナンバーは車検や整備の頻度も高いことから、白ナンバーを管理するよりも手間やコストがかかりやすくなるでしょう。
白ナンバートラックの保有が向く事業所の特徴
緑ナンバーを取得するメリット、デメリットについて解説してきました。それらを踏まえて、自身の企業は白ナンバーと緑ナンバーどちらのトラックを保有するのが向いているのでしょうか。
白ナンバートラックの保有が向いている企業の特徴として、本店から支店への自社商品の運送や、収穫した農産物を販売店へ運送するなど、自社商品を運ぶ業務が多いことが挙げられます。
つまり、営利目的以外で運送する頻度が多い企業であれば、白ナンバーのトラックを何台か保有しておくと便利です。
緑ナンバーの取得には時間や手間がかかり、管理も煩雑になりやすい傾向があります。自社の運送状況を確認し、必要に応じて適切な台数の白ナンバートラックを保有しておくとよいでしょう。
白ナンバーのトラックに関するよくある質問
-
Q.白ナンバーのトラックができることは?
A. 白ナンバートラックは、各店舗への自社商品の運送や、収穫した農産物の販売店への運搬など、営利目的以外で荷物を運ぶことができます。営利目的で他社の商品を運んだり、人を乗せたりすることはできません。
報酬を受け取った時点で、白ナンバートラックの利用可能な範囲を超えてしまうため注意しましょう。 -
Q.白ナンバートラックを営利目的で使用した場合の罰則は?
A. 白ナンバートラックを営利目的で使用した場合、3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金が科せられます。場合によっては懲役と罰金の両方が科されることもあります。
さらに懲役刑になった場合には、刑期満了から5年が経過するまで新規の運送業許可申請ができなる点も覚えていきましょう。 -
Q.緑ナンバーを取得する方法は?
A. 緑ナンバーを取得するには、いくつかの条件をクリアしたうえで手続きを行うことが必要です。たとえば、運行管理者の選任や5代以上のトラックを確保するなどの条件が定められています。
また、手続きに関しては、各種書類を準備したうえで運輸局に申請し、運輸局から許可が下りたら緑ナンバーを取得できます。
白ナンバーと緑ナンバーの違いを理解し適切な運用を目指そう
白ナンバートラックと緑ナンバートラックには、さまざまな違いがあります。それぞれ保有するメリット・デメリットも異なるため、それらを理解したうえで緑ナンバーを取得するか判断しましょう。
白ナンバートラックを営利目的で使用してしまうと厳しい罰則が科されるため、その点は特に注意が必要です。また、2022年4月からは白ナンバー車両にもアルコールチェックが義務化されました。白ナンバー車両を保有する企業は、アルコールチェック管理の体制整備が不可欠です。
アルコールチェック義務化とは?
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