交通違反の罰金の支払い方法は?反則金との違いや期限切れへの対応も解説

交通違反の取り締まりを受けた場合、罰金や反則金はどのように支払うのでしょうか。この記事では、罰金・反則金の支払い方法や期限、また期限切れの際の対応などを解説します。警察署や銀行、郵便局など支払い場所についての詳細や、コンビニで支払えるのか、本人以外による支払いや土日の支払いも対応可能かなどを、詳しく見ていきましょう。

  • 2024/08/30 公開

目次

  1. 交通違反の「罰金」と「反則金」の違い
  2. 交通違反の反則金支払いに関する概要
  3. 反則金の支払期限が切れたらどうする?
  4. 交通違反の罰金はどのように支払う?
  5. 社用車で交通違反をした場合の責任は運転者にある
  6. 交通違反の反則金の支払いに関するよくある質問
  7. 交通違反の罰金支払いの理解を深め安全運転の意識を高めましょう


交通違反の「罰金」と「反則金」の違い

「罰金」と「反則金」は、どちらも交通違反をした際に支払わなければならない違反金ですが、厳密には異なるものです。罰金は刑事罰の1つで、法律違反に対する罰則として科されます。なお、交通違反でも科されることがあります。

一方、反則金は行政罰であり、比較的軽微な交通違反に対して科されるものです。交通違反で取り締まりを受けた場合は、速やかに反則金を支払う必要があります。罰金は前科がつきますが、反則金は前科がつかないという大きな違いについても覚えておきましょう。

以下、罰金と反則金の違いを表にまとめました。

  罰金 反則金
概要 刑事責任
(懲役刑・禁固刑など)
行政責任
(免許停止・免許取り消しなど)
目的 社会秩序・治安維持 道路交通の安全確保
切符 赤色切符 青色切符
前科 付く 付かない

ここからは、罰金と反則金について詳しく解説するので、違いをさらに詳しく確認していきましょう。


◾️ 罰金とは

罰金とは、交通違反や法律違反に対する刑事処分の1つです。裁判所によって科される金銭的な制裁であり、裁判で決定された金額を支払わなければなりません。

交通違反により赤色切符が交付された場合に罰金が科されることが一般的です。赤切符とは交通違反により切られる違反切符の一種ですが、これは青切符と比べて重大な交通違反を示すもので、刑事罰の対象となります。

罰金を支払わない場合、さらに厳しい処分や刑罰が科される可能性があります。

【罰金の対象となる違反行為】

罰金の対象となる交通違反には、主に以下のような種類があります。

酒気帯び運転 飲酒後に運転を行う行為
無免許運転 運転免許を持たずに運転する行為
速度超過 法定速度を大幅に超えて運転する行為
信号無視 赤信号を無視して交差点を通過する行為
※罰金ではなく反則金の対象となるケースが多い
歩行者妨害 横断歩道で歩行者の通行を妨げる行為

これらの違反行為は、他の人に危険をもたらす可能性が高いため、厳しく取り締まりを受けます。罰金を科すことで、違反者が再び違反しないよう抑止効果が期待されています。


◾️ 反則金とは

反則金とは、比較的軽微な交通違反を犯した際に科される行政処分の1つです。「交通反則通知制度」に基づき、軽微な違反に対して反則金を支払うことで、刑事罰を受けずに行政処分のみで処理されます。

交通反則通告制度により、簡単かつ迅速に交通違反の対応ができ、裁判所や警察、違反者の負担を軽減できます。

なお、交通反則通告制度を適用するかどうかは違反者が選択可能です。納付した場合は刑事裁判を受ける必要がなく前科もつきませんが、反則点数は加算されます。対して、拒否した場合は刑事裁判を受けることになり、前科がつく可能性があります。

【反則金の対象となる違反行為】

反則金の対象となる交通違反には、主に以下のような種類があります。

速度超過 法定速度を超えて運転する行為
信号無視 信号や停止信号を無視して進行する行為
一時停止無視 一時停止標識がある場所で停止せずに進行する行為
駐車違反 駐車禁止区域や時間帯に車を停める行為
携帯電話使用 運転中に携帯電話を手に持って使用する行為

反則金の対象となる違反行為は多岐にわたり、運転者が日常的に注意を払うべき行為が含まれています。反則金の金額は警視庁の「反則行為の種別及び反則金一覧表」で確認できます。



交通違反の反則金支払いに関する概要

交通違反した際に科される反則金は、適切な手続きを踏んで支払う必要があります。交通違反後、警察官から「交通反則告知書」と「反則金納付書」が手渡されます。

「交通反則告知書」は通称「青切符」と呼ばれる青い色の書類です。これには違反事項や反則金の金額、支払期限などが記載されています。


◾️ 反則金の支払期限

「交通反則告知書」を受け取ってから8日以内

交通違反による反則金の支払期限は、原則として「交通反則告知書」を受け取ってから8日以内です。期限を守らないと、反則金が増額されたり、刑事手続きに移行したりする可能性があります。

場合によっては裁判所からの呼び出しを受け、最終的には刑事罰が科されることもあるため注意が必要です。支払期限を過ぎてしまうことのないよう、早めに期日を確認し期限内に支払いましょう。


◾️ 反則金の支払場所

支払える ○ 銀行・信用金庫・郵便局(簡易郵便局を含む)
支払えない ✕ コンビニ・ATM
※放置違反の反則金はコンビニでの支払いが可能

交通違反の反則金は、指定された場所で支払う必要があります。反則金を支払える場所は、銀行や信用金庫、郵便局です。郵便局は簡易郵便局を含みます。

銀行や信用金庫、郵便局の窓口の営業時間は事前に確認しておくとよいでしょう。営業時間を把握しておらず、支払期限を過ぎてしまうことにならないよう注意が必要です。なお、交通違反の反則金はコンビニやATMで支払うことはできません。


◾️ 反則金の支払い方法

反則金納付書と反則金を持参し、銀行または郵便局で納付
※代理人による納付も可能

交通違反の反則金の支払方法は、反則金納付書と反則金を持参し、指定された銀行や信用金庫、郵便局の窓口で反則金納付書に反則金を添えて支払います。小切手や収入印紙、その他の有価証券で納付することはできません。

反則金は、2024年7月現在は現金のみで支払い可能です。しかし、「情報通信技術を利用する方法による国の歳入等の納付に関する法律」によると、2024年度末には反則金の支払いがキャッシュレス決済に対応する予定とされています。加えて、一部の警察署では試験的に反則金のキャッシュレス決済を取り入れているようです。

また、反則金は代理人による支払いもできます。代理人が支払う場合は、反則金納付書に加えて、代理人の身分証明書が必要な場合があります。



反則金の支払期限が切れたらどうする?

反則金の支払いは、指定された支払期限を守らなければなりません。万が一支払期限が切れた場合は、納付書の再発行が必要となります。新たな納付書を再発行するのは、各都道府県の交通反則通告センターで、ここから納付書を受け取る方法は2つあります。


◾️ 交通反則通告センターに出頭し納付書を受け取る

納付書もしくは運転免許を持参し交通反則通告センターに出頭することで、新しい納付書を受け取ることが可能です。代理人が新しい納付書を受け取る場合は、青切符もしくは期限切れの納付書を持参する必要があります。

交通反則通告センターは都市を中心にいくつかの都道府県に設置されています。遠方で出頭が難しい方は、次の方法を検討してみましょう。


◾️ 郵送で納付書を受け取る

交通反則通告センターに出頭できない場合は、郵送で納付書を受け取ることも可能です。青切符が切られてから約40日後に、本納付書が郵送されます。郵送の場合、反則金に加えて、送付費用も加算される点に注意が必要です。

郵送された新しい納付書の支払期限内に支払いを済ませることで、刑事処分を回避できます。

✓反則金を支払わない場合はどうなる?

反則金を2回目の納付書でも支払わなかった場合、刑事起訴手続(または少年審判手続)で処理されます。速やかに支払いを完了することが重要です。



交通違反の罰金はどのように支払う?

交通違反で赤切符を切られた場合、指定された日に交通執行課に出頭する必要があります。出頭時には、以下のいずれかの書類と印鑑、免許証を持参します。

  • 交通切符告知票
  • 保管場所法切符の告知票
  • 出頭通知書(ハガキ)
  • 出頭示達書
  • 交通違反通告書
  • 交通反則通告書

出典:警視庁「交通違反で取締りを受けた後の手続き」

交通違反の罰金は、出頭後の手続きを踏んだうえで決められます。受付を済ませた後に警察官による交通違反に対する取調べが行われ、その後、検察官による取調べ、略式命令の請求、裁判所の略式命令の流れで進み、罰金の金額が決定します。

場合によっては、罰金ではなく懲役刑が科されることがあることを覚えておきましょう。


◾️ 交通違反の罰金の金額はどのくらい?

【罰金の金額例】

  • 信号無視:5万以下
  • 速度違反:10万円以下
  • 携帯電話使用等違反:30万円以下
  • 酒気帯び運転:50万円以下

交通違反の罰金は、反則金と比べて金額が大きくなることが多いです。罰金の金額は違反の内容によって異なり、支払えない場合は労役場に留置される可能性もあります。労役場とは、罰金や科料を納付できない場合に、労働をさせるために留置される場所のことです。



社用車で交通違反をした場合の責任は運転者にある

社用車で交通違反をした場合、責任は運転者本人にあります。事業所側が直接責任を問われることはなく、反則金や罰金、違反点数は運転者が負担します。

ただし、運転者が支払いに応じなかった場合は、事業所が代わりに負担しなければなりません。また、運転者は経済的に支払いが困難な場合、事業所が代わりに負担するケースもあります。従業員の交通違反を防ぐために、事業所は安全運転の指導に力を入れていきましょう。

2022年4月の道路交通法改正により、事業所のアルコールチェック義務が厳格化され、安全運転管理者の責任がより大きくなりました。事業所は改めて安全運転の管理体制を整える必要があり、従業員への徹底した指導が求められています。

安全運転管理者の責任や事業所の対応方法について具体的に知りたい方は、下記ページをご覧ください。

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事業所は従業員のアルコールチェックの記録を管理する体制を整える必要があります。特に運送業や建設業など、車両の運行が頻繁に行われる事業所では、早急な管理体制の整備が求められるでしょう。

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交通違反の反則金の支払いに関するよくある質問

交通違反の罰金・反則金の支払いに関するよくある質問とその回答をまとめました。

  • Q.交通違反の罰金・反則金はコンビニで支払える?
    A. 交通違反の反則金や罰金は、コンビニでは支払えません。反則金は銀行や信用金庫、郵便局で支払う必要があります。郵便局は簡易郵便局も含まれるため、自宅近くの郵便局でも支払える方が多いでしょう。
    また、罰金は交通執行課に出頭し支払う必要があります。
  • Q.交通違反の罰金・反則金は本人以外でも納付できる?
    A. 交通違反の罰金や反則金は、違反者の承諾を得ていれば本人以外でも納付できます。代理人が納付する場合は、納付書と反則金のほか、念のため代理人の身分証明書を持参するのがよいでしょう。
  • Q.交通違反の罰金・反則金は土日でも支払える?
    A. 交通違反の罰金・反則金は、基本的には土日や祝日に支払うことはできません。反則金は銀行や信用金庫、郵便局の窓口で支払う必要があり、各窓口の営業は平日のみのところが多いためです。
    また、罰金は交通執行課で支払う必要があり、交通執行課の開庁日は平日のみとなっています。


交通違反の罰金支払いの理解を深め安全運転の意識を高めましょう

交通違反の罰金は重大な交通違反に対する刑事処分です。赤切符が切られた場合は、交通執行課に出頭したうえで罰金を支払う必要があります。

一方、交通違反の反則金は比較的軽微な違反に対する行政処分で、適切な手続きを踏んだ期限内での支払いが求められます。反則金の支払場所や方法、期限切れの際の対応など、詳細な情報を把握しておくことで、違反後の対応がスムーズになるでしょう。

万が一従業員が交通違反し罰金や反則金を支払えない場合、事業所がその金額を負担するケースも少なくありません。社会の人々の安全、従業員や事業所全体の負担のことも考慮し、安全運転指導を徹底していきましょう。

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