
2025/07/24 公開
アルコールチェック義務化対応で必須な「点呼業務」とはそもそも何?
2022年のアルコールチェック義務化に伴い、白ナンバー事業者(自家用車を使用する企業)でも「点呼業務」が安全運転管理者の重要な役割となりました。
しかし、次のように疑問や不安を感じたことはありませんか?
・「点呼業務」とは具体的に何をするのか
・自社がアルコールチェック義務化にしっかり対応出来ているのか
ここでは、「点呼」の基本的な考え方やその重要性について、わかりやすく解説します。
「点呼業務」・「点呼確認」とは(白ナンバー事業者の場合)
白ナンバー事業者における「点呼業務」や「点呼確認」とは、運転者が業務で車両を使用する前後に、アルコールの有無などを確認する業務を指します。
管理者が、対面またはITツールを通じて実施し、その記録を残すことで、飲酒運転を未然に防止し、企業の交通安全管理体制の強化に寄与します。

アルコールチェック義務化の背景と目的
アルコールチェックの義務化は、飲酒運転を未然に防止し、企業および社会全体の交通安全の確保を目的としています。白ナンバー車両(自家用車)を業務で使用する事業所に対しても、2022年からアルコールチェックの義務化が始まりました。背景には、社用車による飲酒運転事故が社会的に深刻な問題として注目を集めたことがあります。
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関連コラム:【2024年】アルコールチェック義務化とは?いつから?対象者や罰則も解説 – アルコールチェック管理サービス 『スリーゼロ』 AIoTクラウド
アルコールチェックにおける「点呼」の目的
アルコールチェックにおける「点呼」の目的は、従業員の飲酒運転を未然に防ぎ、企業としての交通事故のリスクを回避することにあります。
運転前後に実施される「点呼」は、アルコールの有無を厳しくチェックすることに加え、体調や安全意識の確認も行います。これにより、職場全体の安全運転管理体制を強化する重要な役割も果たしています。
アルコールチェック義務化に対応した正しい点呼のやり方
アルコールチェックの義務化に伴い、正しい点呼のやり方を理解することは企業の安全運転管理者にとって重要です。ここでは、点呼の基本的な手順や確認すべき項目を詳しく解説し、日々の業務に役立つ情報を提供します。点呼を正確に実施することは、法令遵守はもちろん、交通事故の防止にも直結する企業の重要な安全管理活動です。
アルコールチェック実施時の手順と確認項目
アルコールチェックを実施する際には、まず運転者の健康状態や飲酒の有無を確認する必要があります。具体的には、アルコール検知器を用いて呼気中のアルコール濃度を測定し、その結果を記録します。また、運転者の体調や疲労の有無もあわせて確認し、必要に応じて休息を指示するなどの対応を行ないます。これらの項目を的確に確認・管理することで、安全運転を確保につながります。
▼アルコール検知器の結果のほかに、管理者が運転手の酒気帯びの有無を確認するポイント

電話点呼でアルコールチェックを実施するときの流れと注意点
対面での点呼確認がむずかしく、電話点呼を実施する場合は、事前に運転者にアルコール検知器を配布し、適切な使用方法を指導しておくことが重要です。
点呼時には、運転者が自ら検知器を用いて呼気中のアルコール濃度を測定し、その結果を管理者へ報告します。この際、結果の信頼性を確保するため、正確な報告を促す体制の整備が求められます。
また、電話点呼では、運転者の声の調子や話し方を通じて、体調や疲労の有無など健康状態を確認することも重要なポイントです。
確認者が不在の場合のアルコールチェック義務化への対応方法
早朝・深夜の勤務や出張、直行直帰など、確認者が対面で点呼できない場合でも、アルコールチェックを適切に行うためには、ITツールを活用が有効です。
たとえば、スマートフォンアプリとアルコール検知器を利用し、運転者が自ら測定した結果をスマートフォン経由で記録し、クラウド上で一元管理することが可能です。
このような仕組みにより、確認者が直接立ち会わずとも、データの信頼性を確保できます。さらに電話などを用いて遠隔地の確認者が記録データを確認し、異常の有無をチェックする体制を構築することが重要です。こうした取り組みにより、アルコールチェック義務化への確実な対応が可能となり、運転者の安全確保はもちろん、企業の安全運転管理体制の強化にもつながります。
よくある疑問:アルコールチェックは運転後にも必要なのはなぜ
アルコールチェックは運転後にも実施することが推奨されます。業務終了後にチェックを行うことで、運転者が業務中に飲酒していないことを確認できるだけでなく、業務中の飲酒を未然に防ぐ抑止効果もあります。
また、運転後のチェックを通じて、法令遵守への意識が高まり、従業員の安全運転に対する自覚も向上します。こうした取り組みを継続することで、企業内に安全運転の文化が根付き、社会からの信頼性の向上にもつながります。

点呼のやり方を間違えた・点呼不備があった場合のリスクと影響
点呼方法に誤りや記録に不備があった場合、企業には重大なリスクと影響が及びます。アルコールチェック義務化に伴い、正確な点呼が求められており、ミスや不正が発覚した場合は、法的なペナルティを受ける可能性があります。
さらに、企業の信頼性や社会的評価が損なわれ、顧客や取引先からの信用を失う実態にもつながりかねません。ここでは、点呼の重要性と、それを疎かにすることで生じる影響について詳しく解説します。
アルコールチェック義務化違反の法的ペナルティ
白ナンバー事業者において、アルコールチェック義務化違反が発覚した場合、現時点では直接的な罰則は設けられておりませんが、安全運転管理者の義務違反とみなされ、是正措置命令が出される可能性があります。また是正措置命令に対して適切な対応を取らなかった場合、50万円以下の罰金が科されることがあります。
緑ナンバー事業者の場合、貨物自動車運送事業法に基づく行政処分の対象になります。監督官庁からの「警告」や「業務改善命令」などの処分が科される可能性があります。
特に悪質な場合や、アルコールチェック未実施の状態で飲酒事故が発生した場合などは「事業停止」といった重い処分が科されることもあり、企業の事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
企業の信用低下や、従業員の雇用への影響にもつながるため、法令を確実に遵守することは、企業の持続的な成長と社会的信頼の確保に不可欠です。
万が一、アルコールチェック未実施の状態で従業員が飲酒事故を起こした場合は、事業者の安全配慮義務違反として損害賠償責任を問われる可能性も高まります。
点呼ミスや不正によって起き得る社会的リスクと企業の責任
点呼ミスや不正は、企業にとって社会的なリスクを引き起こします。
例えば、アルコールチェックが不十分な状態で運転が行われた場合、事故の発生リスクが高まります。仮にそのような状態で運転し、事故をおこしてしまうと、企業は社会的な非難を受け、信頼を失う可能性があります。企業は、従業員の安全を確保し、社会的責任を果たすために、正確な点呼を実施する義務があります。
事例:大手物流事業者、点呼業務の法令違反で行政処分 事業許可を取り消し(2025年)
2025年、大手物流事業者は点呼業務における法令違反が発覚し、行政処分を受けました。具体的には、貨物自動車運送事業の許可が取り消されるという厳しい措置が取られました。この事例は、点呼の不備が企業にどれほど深刻な影響を及ぼすかを示しています。企業は、法令を遵守し、適切な点呼を行うことで、同様の事態を避ける必要があります。
・参考:報道発表資料(国土交通省、令和7年6月25日)
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いま、点呼問題が社会的に注目されています。それに伴い、点呼の不備やアルコールチェック義務化に伴う法令対応の運用における課題がリスクとして顕在化しています。
これらの課題の大きな要因は「点呼業務の不確実性」です。
点呼業務、アルコールチェック業務は拠点ごとに管理運用方法が違ったり、使用するアルコール検知器の種類が違ったりするのが、実態ではないでしょうか。
このような状況から、法令対応が「なんとなくの運用」で済ませられない状況に直面しており、企業としては、アルコールチェックの正確な実施とデータでの確実な管理・記録が求められています。
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